2026年9月29日に発表された株主優待関連のIRを確認しました。

今回は、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)、ギグワークス(2375)、伊藤園(2593)の3社です。

T&Gニーズは株主優待を新設、ギグワークスは既存優待を拡充。一方、伊藤園は長年続けてきた株主優待の廃止を発表しました。

それぞれ何が変わったのか、必要資金や利回り、最新の業績・財務まで確認しながら投資対象としてどう見るかを整理します。

① テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)|700株以上で株主優待を新設

結婚式場やホテル事業を展開するテイクアンドギヴ・ニーズが、新たに株主優待制度を導入すると発表しました。

2026年12月末から、毎年12月末時点で700株以上を保有する株主が対象となります。

「プレミアム優待倶楽部」のポイントを付与

優待内容は、保有株数に応じて5,000~90,000ポイントがもらえる「プレミアム優待倶楽部」です。

1ポイントはおおむね1円相当で、グルメや雑貨、電子マネーなど約5,000種類の商品と交換できます。

他社のプレミアム優待倶楽部ポイントとまとめられる「WILLsCoin」への交換も可能です。

項目内容
基準日毎年12月末
最低必要株数700株
優待5,000~90,000ポイント
ポイント価値1ポイント≒1円
実施回数年1回
開始2026年12月末

ポイントは最大1回まで繰り越せますが、同一株主番号で700株以上を継続保有していることが条件です。

貸株サービスなどによって株主番号が変わった場合は繰り越せない可能性があるため、長期保有する場合は注意が必要です。

700株なら必要資金は約51万8,000円

9月29日の終値は740円でした。

最低条件となる700株では、

740円×700株=約51万8,000円

必要です。

2026年12月期の年間配当予想は1株40円なので、700株なら年間配当は2万8,000円です。

最低の5,000ポイントを加えて計算すると、

項目700株の場合
投資額約51万8,000円
年間配当予想2万8,000円
優待5,000円相当
配当+優待3万3,000円相当
総合利回り約6.4%

私が一つの目安としている総合利回り4%を大きく上回ります。

ただし、約52万円必要なので、100株から取得できる優待と比べると購入ハードルは高めですね。

業績予想は上方修正

2026年12月期の中間決算では、売上高239億500万円、営業利益6億900万円、純利益8億円となりました。

会社は同時に通期業績予想を上方修正しています。

2026年12月期中間実績通期予想
売上高239.05億円490億円
営業利益6.09億円15億円
経常利益3.78億円10億円
純利益8.00億円8億円

国内ウェディング事業に加えて、今後は「TRUNK」ブランドを中心としたホテル事業の拡大も進めています。

一方で、人件費やホテル開業に向けた先行投資も発生しています。

利回りは魅力的だが、配当性向は高め

株価740円と会社予想EPS54.8円から計算すると、予想PERは約13.5倍です。

PBRも0.6倍前後と1倍を下回っています。

一方、年間配当40円を予想EPS54.8円で割ると、予想配当性向は約73%です。

私が一般企業で一つの目安としている40~50%と比べると高く、70~80%は注意して見る水準です。

優待新設+配当利回り5%超はかなり目を引きますが、この還元水準が利益成長を伴って続けられるかは今後確認したいところです。

② ギグワークス(2375)|1,000株以上の優待を選択制へ拡充

ギグワークスは、1,000株以上を保有する株主向けの優待内容を拡充しました。

これまでのデジタル型ギフト3,000円分に加えて、新たに複数の優待品から選択できるようになります。

デジタルギフト以外も選べるように

新たな選択肢として追加されたのは、

  • こども商品券1,000円分+お菓子セット
  • 次世代型スマートファーム「MUGEN FARM」の野菜セット

です。

従来のデジタル型ギフト3,000円分も引き続き選択できます。

また、100株以上の株主向けには、日本直販の株主優待専用サイトで利用できる割引クーポン制度があります。

今回の拡充は、主に1,000株以上保有する株主の選択肢を増やした変更です。

1,000株なら必要資金は約20万4,000円

9月29日の終値は204円でした。

1,000株購入すると、

204円×1,000株=約20万4,000円

必要です。

年間配当予想は1株2円なので、1,000株なら年間配当は2,000円です。

比較しやすいデジタルギフト3,000円分を選択した場合で計算すると、

項目1,000株の場合
投資額約20万4,000円
年間配当予想2,000円
デジタルギフト3,000円分
配当+優待5,000円相当
総合利回り約2.5%

割引クーポンは実際に買い物をする金額によって価値が変わるため、この計算には含めていません。

私の総合利回り4%という目安から見ると、優待が拡充されても現時点では高利回り株とは言いにくい水準です。

営業利益・経常利益は黒字転換

一方、業績には改善が見られます。

2026年10月期第3四半期累計では、売上高173億2,600万円、営業利益3億7,000万円となりました。

前年同期は営業赤字だったため、黒字転換です。

2026年10月期3Q累計実績前年同期
売上高173.26億円167.12億円
営業利益3.70億円▲1.93億円
経常利益1.60億円▲2.84億円
純利益0.09億円1.85億円

営業利益と経常利益の黒字転換はプラス材料です。

ただし、純利益は前年同期比で大きく減少しています。

財務と株価指標には注意

自己資本比率は30%台です。

私が一般企業で一つの目安としている50%には届いていません。

また、株価200円前後に対して会社予想EPSは2円台で、予想PERもかなり高い水準です。

業績の黒字転換は評価できますが、

総合利回り約2.5%、自己資本比率30%台、PERも高い

という点を見ると、優待拡充だけを理由に購入を急ぐ銘柄ではなさそうです。

③ 伊藤園(2593)|2026年4月末分を最後に株主優待を廃止

今回、優待投資家にとって最も大きな発表となったのが伊藤園です。

伊藤園は、長年実施してきた株主優待制度を廃止すると発表しました。

2026年4月30日を基準日とした優待が最後となり、2027年4月末以降は実施されません。

これまで100株で1,500円相当の自社製品

これまでの株主優待は、毎年4月末時点で100株以上保有する株主が対象でした。

保有株数これまでの優待
100株以上自社製品1,500円相当+通販30%割引
1,000株以上自社製品3,000円相当+通販50%割引

「お~いお茶」などの自社製品が届く、分かりやすく使いやすい優待でした。

廃止理由は「公平な株主還元」

伊藤園は今回、株主への公平な利益還元という観点から制度を見直し、

今後は配当などによる還元と中長期的な企業価値向上へ経営資源を集中する

としています。

ここで注意したいのは、

「優待廃止=その分がすぐ増配される」

と決まったわけではないことです。

配当などによる還元強化の方針は示されていますが、今回の優待廃止と同時に、優待分を補う具体的な増配額が発表されたわけではありません。

優待廃止で総合利回りはどう変わる?

9月29日の終値は3,046円でした。

100株なら約30万4,600円必要です。

2027年4月期の年間配当予想は52円です。

これまでの1,500円相当の優待を含めると、

項目100株の場合
投資額約30万4,600円
年間配当予想5,200円
旧優待1,500円相当
旧制度での総合利回り約2.2%
優待廃止後の配当利回り約1.7%

通販割引は利用額によって価値が異なるため、利回り計算には含めていません。

もともと総合利回り4%には届いていませんでしたが、優待廃止後は配当だけでは約1.7%となります。

業績はむしろ好調

優待廃止というと、「業績が悪いからでは?」と考えてしまいますが、伊藤園の場合は少し違います。

2027年4月期第1四半期は増収増益でした。

2027年4月期1Q実績前年同期比
売上高1,351.80億円+3.3%
営業利益102.00億円+22.0%
経常利益101.22億円+13.4%
純利益65.59億円+14.8%

営業利益は20%以上増えています。

自己資本比率も50%を上回っており、財務面も比較的安定しています。

良い会社でも「今の株価で買うか」は別問題

株価3,000円前後に対して、予想PERは20倍を超えています。

年間配当52円に対する配当性向は40%前後で、こちらは私の一般企業に対する目安に近い水準です。

業績や財務は今回の3社の中でも安定しています。

しかし、

  • PERは私の目安である10倍前後より高い
  • 配当利回りは3%未満
  • 株主優待も廃止

となるため、私の「割安+配当+優待」という基準では、現在の株価で積極的に買い増したい条件にはなっていません。

今後、優待廃止分がどの程度配当などへ振り向けられるのかは確認したいところです。

まとめ|9月29日は「新設・拡充・廃止」が1社ずつ

今回の3社をまとめると、次のようになります。

企業優待の変更私の判断
テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)700株以上で優待新設買い候補。ただし還元の持続性を確認
ギグワークス(2375)1,000株以上の優待を拡充業績改善は評価、現状は様子見
伊藤園(2593)株主優待を廃止優待目的では対象外、株価と配当を監視

私の意見

今回の3社で、投資対象として最も気になったのはテイクアンドギヴ・ニーズです。

700株必要なので最低投資額は約52万円と高めですが、配当と優待を合わせた総合利回りは約6.4%あります。

さらにPBRは1倍を下回り、業績予想も上方修正されています。

一方で、PERは私が割安株を探す際に一つの目安としている10倍前後より高く、配当性向も70%を超えています。

「優待が新設されたからすぐ買う」のではなく、現在の配当と優待を今後も無理なく継続できるかを確認してから判断したい銘柄です。

ギグワークスは営業利益・経常利益が黒字転換した点は評価できます。

ただ、優待を利用しても総合利回りは約2.5%。自己資本比率も30%台で、PERも高い水準です。

優待拡充はうれしい材料ですが、私ならまず本業の利益が安定して増えていくかを見ます。

そして今回、私にとって一番ショックだったのが伊藤園です。

実は私は伊藤園を保有していました。

そのため今回の株主優待廃止には、見事に被弾してしまいました。

毎年届く自社製品は金額にすれば1,500円相当ですが、株主としてはこうした「届く楽しみ」も優待株を保有する魅力の一つです。

それがなくなるのは、やはり残念です。

もちろん投資ですから、「自分が持っているから優待を続けてほしい」という感情だけで企業を評価するわけにはいきません。

伊藤園は業績が悪化して優待を廃止したわけではなく、むしろ直近決算は増収増益です。

株主への公平な還元という考え方から、優待より配当などを重視する方向へ切り替えたのであれば、企業側の判断として理解できる部分もあります。

それでも保有株で優待廃止を食らうと、

「ああ、ついに自分のところにも来たか……」

という気持ちになります。

これも株主優待投資では避けられないリスクですね。

そして今回改めて感じたのは、

「優待があるから安心」ではない

ということです。

業績が好調な企業でも株主優待を廃止することはあります。

反対に、優待を新設・拡充したからといって、その株が必ず買いになるわけでもありません。

だからこそ、

業績
↓
財務
↓
配当
↓
優待
↓
現在の株価

まで確認して判断する必要があります。

今回の伊藤園の優待廃止は私自身も残念ですが、これも一つの投資経験として、今後の銘柄選びに生かしていきたいと思います。

私が株を買う前に確認しているPER・PBR・配当・財務・業績・優待・買値の7項目については、こちらの記事で詳しくまとめています。

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今後も、その日に発表された株主優待情報を確認し、「何が変わったのか」「どこに注意したいのか」まで分かるように整理していきます。

※本記事は2026年9月29日に公表された各社IR資料をもとに作成しています。株主優待制度は今後変更される可能性がありますので、実際に投資する際は最新の企業IRをご確認ください。

※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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マッスルトレーダーベイマックス
プライム企業で34年勤務(設備系管理職) 筋トレをこよなく愛するサラリーマン 2010年から株式投資を開始し、配当と株主優待を中心に多数保有 年間1000万円の配当収入を目標に、仕事と投資の両立を実践中 元現場管理のリアルな視点で、投資にも「地に足の着いた考え方」を持ち込みたいと考えています 。 保有資格 FP3級