株主優待の新設や拡充、変更は、個人投資家にとって気になるニュースのひとつです。

そこで今回は、2026年9月14日にIRで発表された株主優待関連情報を抽出し、各企業の開示資料まで確認して内容をまとめました。

9月14日はかなり発表の多い一日となり、

株主優待の新設
既存制度の大幅拡充
長期保有条件の追加
現行制度終了と新制度への移行
優待商品の詳細決定

など、合計11社の発表を確認できました。

単に「優待が増えた」という情報だけではなく、必要株数や保有期間、開始時期までIRを確認しています。

それでは1社ずつ見ていきます。

① ASNOVA(9223)|現行優待を終了し、持株会社で新制度へ

ASNOVAは、2026年10月1日に持株会社「ASNOVA Companies」へ移行することに伴い、現在の**「ASNOVAプレミアム優待倶楽部」を2026年9月30日基準分で終了**すると発表しました。

その後は、2027年3月31日を第1回基準日として、新たに**「ASNOVA×monotomoi ギフト」**を導入する方針です。

ただし、新制度については現時点では「制度案」であり、持株会社設立後の取締役会で正式決定される予定です。

新制度案の内容

現行制度は年2回、500株以上が対象で、保有株数に応じて5,000~15,000ポイントが付与されています。

新制度案では、

保有条件新制度案
1,000~4,999株を1年以上継続保有5,000円相当の商品
5,000株以上を1年以上継続保有10,000円相当の商品

となり、基準日は年1回の3月31日へ変更されます。

なお、株式移転比率はASNOVA株1株に対してASNOVA Companies株1株ですので、単純な株式移転による株数調整ではなく、必要株数そのものが引き上げられる形です。

私が気になったポイント

現行優待が完全になくなるわけではなく、持株会社で新しい優待へ移行する予定という点は確認しておきたいところです。

一方で、

年2回から年1回
500株以上から1,000株以上
1年以上の継続保有条件を追加

と、制度設計はかなり変わります。

新制度はまだ正式決定前ですので、持株会社設立後の最終発表を改めて確認したいと思います。

② NATTY SWANKYホールディングス(7674)|優待を拡充

「肉汁餃子のダンダダン」を展開するNATTY SWANKYホールディングスは、2027年1月末基準の株主優待を拡充します。

従来は100株以上で一律10,000円分の電子優待チケットでしたが、2027年1月末から保有株数によって内容が変わります。

拡充後の内容

保有株数電子優待チケット限定ドリンクチケット
100~199株10,000円分1枚
200~299株20,000円分3枚
300株以上30,000円分5枚

限定ドリンクチケットは、対象店舗で1人につきドリンク1杯、最大4人まで利用できます。

さらに「肉汁餃子のダンダダン」創業15周年を記念して、2026年7月末に100株以上保有していた株主にもドリンクチケット1枚が進呈されます。

私が気になったポイント

今回の拡充では、200株、300株と保有株数を増やすことで電子優待チケット自体も大きく増えるようになりました。

単なる記念優待ではなく、保有株数の多い株主にもメリットを持たせた制度設計になった点が気になります。

③ 紀文食品(2933)|2026年9月末の優待内容を決定

紀文食品は、2026年9月30日を基準日とする株主優待商品の内容を決定しました。

対象株数や金額に変更はありません。

株主優待の内容

保有株数優待内容
300~999株自社商品詰合せ 約3,500円相当
1,000株以上自社商品詰合せ 約7,000円相当、またはおせち商品詰合せ 約7,000円相当

今年度は従来の構成をベースに、この秋冬から発売する新商品や、長期保存でき災害時の備蓄にも利用できる**「おでん缶」**などを新たに盛り込みます。

私が気になったポイント

今回は制度変更ではなく、今年届く商品の具体的な内容が決まったという発表です。

紀文食品らしく自社商品を実際に試せる優待で、1,000株以上では「通常商品」か「おせち」を選択できます。

金券型とは違い、その会社の商品を知ってもらうという株主優待本来の目的が分かりやすい制度だと思います。

④ フィットイージー(212A)|株主優待を大幅拡充

今回の発表の中でも、変更幅がかなり大きいのがフィットイージーです。

毎年10月末時点で100株以上を保有する株主が対象です。

拡充後の優待内容

保有株数選択式優待ビジター券
100株以上QUOカード6,000円 または会費1,000円/月×1年割引4枚
200株以上QUOカード12,000円 または会費2,000円/月×1年割引8枚
500株以上QUOカード25,000円 または会費4,000円/月×1年割引16枚

従来の100株ではQUOカード1,000円でしたので、6,000円へ大幅増額となります。

さらに500株以上を1年以上継続保有する株主には、上記優待に加えて、

QUOカード10,000円
または
FEオリジナル体組成計20,000円相当

のどちらかを選べる長期保有優待も新設されます。

私が気になったポイント

100株から優待内容がかなり強化されました。

さらに500株以上では長期保有優遇まで新設されており、短期的な優待拡充だけでなく、中長期保有を意識した制度になっています。

今回の11社の中でも、内容をもう少し詳しく確認したくなる発表のひとつです。

⑤ アスア(246A)|株主優待還元総額を2倍へ

アスアは、2027年6月期の年間株主優待額を、

2,000万円 → 4,000万円

へ増額すると発表しました。

優待制度そのものの条件は変更ありません。

アスアは「シェア型株主優待」

対象は、毎年6月末・12月末時点で200株以上を6か月以上継続保有している株主です。

特徴的なのは、一般的な「100株で○円」という制度ではなく、

年間の優待還元総額を対象株主数で按分する

仕組みです。

デジタルギフトで受け取り、Amazonギフトカード、PayPayマネーライト、QUOカードPay、dポイントなどへ交換できます。

2027年6月期は年間4,000万円を対象株主で分配する予定です。

参考として、2026年6月末時点の200株以上保有株主1,519名を基にした2026年6月期の優待額は、1人当たり年間13,167円相当でした。

私が気になったポイント

優待原資が一気に2倍になったことは目を引きます。

ただし、1人当たりの優待額が固定されているわけではない点には注意が必要です。対象株主が増えれば、1人当たりの金額も変わります。

また、今回の優待増額に伴って営業利益・経常利益・純利益の業績予想をそれぞれ2,000万円下方修正していますが、会社は事業環境の悪化ではなく、優待費用増加を反映したものと説明しています。

⑥ TOブックス(500A)|株主優待を新設

TOブックスは、新たに株主優待制度を導入します。

初回は2027年4月末の株主から対象となります。

優待内容

保有株数QUOカード
100~199株3,000円分
200~499株10,000円分
500株以上25,000円分

100株では、人気作品

『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』

を題材に、椎名優先生描き下ろしの株主優待限定オリジナルデザインQUOカードが贈られます。

各保有区分のデザインは同一です。

私が気になったポイント

単なる一般的なQUOカードではなく、自社コンテンツを活用した限定デザインというところがTOブックスらしい優待です。

また、200株で10,000円、500株で25,000円と、株数を増やしたときの優待額もかなり大きくなっています。

初回は2027年4月末ですので、それまでに株価や業績も含めて確認する時間があります。

⑦ ヴィス(5071)|デジタル優待倶楽部を新設

ヴィスは、2026年9月末から株主優待制度を開始します。

対象は200株以上です。

株主優待ポイント

保有株数ポイント
200~299株1,000pt
300~399株3,000pt
400~599株4,000pt
600~799株6,000pt
800~999株8,000pt
1,000~1,499株12,000pt
1,500株以上35,000pt

1ポイントはおおむね1円相当で、電子マネーや各種商品・サービスなどへ交換できます。

WILLsCoinへ交換することで、他社のプレミアム優待倶楽部ポイントとの合算も可能です。ただし、ポイントは翌年度へ繰り越せません。

私が気になったポイント

保有株数による段階がかなり細かく設定されています。

特に、

1,000株で12,000ポイント → 1,500株で35,000ポイント

と、1,500株以上で優待額が大きく増える設計が特徴的です。

初回が2026年9月末なので、開始時期が非常に近い点も確認しておきたいところです。

⑧ 犬猫生活(556A)|株主優待を新設

犬猫生活は、2026年10月末を初回基準日として株主優待制度を開始します。

その後は毎年4月末・10月末の年2回実施されます。

優待内容

保有株数1回あたり年間
100株以上1,500円分クーポン×1枚3,000円分
300株以上3,000円分クーポン×2枚12,000円分

クーポンは犬猫生活の公式オンラインサイト限定で利用でき、有効期間は贈呈後6か月です。

私が気になったポイント

300株になると、年間3,000円相当から12,000円相当へ大きく増える点が特徴です。

一方、QUOカードなどではなく自社サイト専用クーポンなので、犬猫生活の商品を実際に利用する株主ほど価値を感じやすい優待です。

まさに「自社商品を知ってもらう」という目的が分かりやすい制度です。

⑨ システム・ロケーション(2480)|3月末優待を拡充

システム・ロケーションは、現在実施している株主優待を拡充します。

9月末分については変更ありません。

今回増額されるのは3月末基準のQUOカードです。

3月末優待の変更

保有株数従来拡充後
100~299株500円1,000円
300~499株4,000円5,000円
500株以上4,000円5,000円

9月末は従来どおり、

100~299株で1,000円、300~499株で5,000円、500株以上で10,000円です。

さらに、自社事業に関連するクルマの現在価値・将来価値を閲覧できる専用サイトを株主が無料利用できる優待も新設します。

まず「現在価値」の閲覧機能を2027年1月以降に開始する予定です。

私が気になったポイント

QUOカード増額だけでなく、会社の本業に関連するサービスを優待へ加えたところが面白いですね。

金券型優待と、自社事業を知ってもらう優待を組み合わせた形になっています。

⑩ ダブルエー(7683)|商品拡充と同時に保有条件を変更

ORiental TRafficなどを展開するダブルエーは、株主優待の対象商品を拡充するとともに、対象条件も変更します。

商品拡充は2026年10月1日から順次実施予定、保有条件変更は2027年7月末基準分からです。

商品ラインアップを拡充

100株以上の優待では、新たに本革紳士靴ブランド**「WA!KARU」**を対象商品へ追加。

上位区分では「卑弥呼」の瞬間フィット紳士靴やバッグも追加され、対象商品の上限価格も、

税込4万円 → 税込5万円

へ引き上げられます。

一方で6か月継続保有が必要に

2027年7月末からは、

保有株数条件・優待
100~999株6か月以上継続保有、ORiental TRafficオンラインで商品1点無料
1,000株以上6か月以上継続保有、卑弥呼等1点+ORiental TRaffic1点

となります。

従来は継続保有条件がなく、上位優待も600株以上が対象でした。

私が気になったポイント

今回は単純な「拡充」だけではありません。

対象商品は増えますが、

6か月の継続保有条件追加
上位区分が600株以上から1,000株以上へ変更

という条件面の変更もあります。

タイトルだけで「優待拡充」と判断せず、条件まで確認しておきたい発表です。

⑪ オーウイル(3143)|株主優待の詳細を決定

オーウイルは2026年5月に株主優待制度の導入を発表していましたが、今回、1,000株以上の株主が選べる5,000円相当のギフト商品の詳細を決定しました。

株主優待の内容

保有株数優待
300~999株オリジナルQUOカード1,000円分
1,000株以上食料品ギフト5,000円相当

1,000株以上では、次の9種類から1品を選択できます。

やきとり・ツナ・おかず缶詰セット、紀州南高梅、信州りんごジュース、アサイーピューレ・ソルベ、チーズ・バター、天然水、アイス最中・もちアイス、国産農産物、冷凍味付マスいくらなどです。

私が気になったポイント

食品を中心に事業を展開する会社らしく、自社グループ商品だけでなく主要取引先の商品まで優待へ取り入れている点が特徴です。

今回は制度自体の変更ではなく、5月の導入発表時には未定だった「実際に何を選べるのか」が明らかになった発表です。

⑫ 2026年9月14日の株主優待情報まとめ

今回の11社を整理すると、次のようになります。

銘柄コード発表内容注目ポイント
ASNOVA9223現行終了・新制度案年1回、1年以上保有へ変更予定
NATTY SWANKY HD7674拡充保有株数に応じ電子チケット増額+ドリンク券
紀文食品2933内容決定新商品・おでん缶を追加
フィットイージー212A拡充100株6,000円選択式+長期優待新設
アスア246A増額優待還元総額2,000万円→4,000万円
TOブックス500A新設100株3,000円、500株25,000円QUOカード
ヴィス5071新設200株からデジタル優待ポイント
犬猫生活556A新設年2回、自社サイトクーポン
システム・ロケーション2480拡充3月QUOカード増額+独自サイト
ダブルエー7683拡充・条件変更商品拡充+6か月保有条件
オーウイル3143詳細決定1,000株で5,000円相当9種類から選択

9月14日は、新設3社だけでなく、大幅拡充や制度の組み替えまで内容の濃い一日でした。

特に気になったのは、

フィットイージーの大幅拡充
TOブックスのオリジナルQUOカード新設
ヴィスのデジタル優待新設
アスアの優待原資2倍

です。

一方、ASNOVAやダブルエーのように、優待そのものは継続・拡充されても、必要株数や継続保有条件が変わる銘柄もあります。

株主優待情報を見る際には、

「新設」「拡充」というタイトルだけで判断せず、必要株数・保有期間・実施回数まで確認する

ことが大切ですね。

今回の記事ではまず、2026年9月14日に何が発表されたのかという事実と注目点を整理しました。

この中で個別に気になる銘柄があれば、業績・財務・配当・現在株価まで確認し、本当に投資対象になるのかを改めて分析していきたいと思います。

※本記事は2026年9月14日に各社が公表したIR資料等をもとに作成しています。株主優待制度は今後変更される可能性がありますので、実際に投資する際は必ず最新の企業IRをご確認ください。

※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

ABOUT ME
マッスルトレーダーベイマックス
プライム企業で34年勤務(設備系管理職) 筋トレをこよなく愛するサラリーマン 2010年から株式投資を開始し、配当と株主優待を中心に多数保有 年間1000万円の配当収入を目標に、仕事と投資の両立を実践中 元現場管理のリアルな視点で、投資にも「地に足の着いた考え方」を持ち込みたいと考えています 。 保有資格 FP3級