株主優待の新設や拡充、変更は、個人投資家にとって気になるニュースのひとつです。

そこで今回は、2026年9月17日にIRで発表された株主優待関連情報を抽出し、各社の開示資料まで確認して内容をまとめました。

本日は3社から発表あり。

クロスキャットは、QUOカードから複数の電子マネーなどを選べる「選択式電子ギフト」へ変更。

クワザワホールディングスは、3年以上の長期保有株主への優待を拡充する一方、新たに1年以上の継続保有条件を追加します。

また、いちごホテルリート投資法人は、全国の対象ホテルで利用できる宿泊割引の投資主優待を継続すると発表しました。

それでは内容を確認していきます。

① クロスキャット(2307)|QUOカードから選択式電子ギフトへ変更

クロスキャットは、金融・クレジット・公共分野などを中心にシステム開発を行う独立系IT企業です。

SI(システムインテグレーション)に加え、BIやDX支援、自社開発の勤怠管理システムなども展開しています。

9月17日、株主優待の内容と基準日を変更すると発表しました。

今回のポイントは、

QUOカード → 選択式電子ギフト

への変更です。

現在の株主優待

現在は毎年9月末時点の株主を対象に、保有株数に応じてQUOカードを贈呈しています。

公式IRによる現在の区分は次のとおりです。

保有株数優待内容
200~999株QUOカード500円分
1,000~1,999株QUOカード1,000円分
2,000~3,999株QUOカード2,000円分
4,000株以上QUOカード3,000円分
6,000株以上上記+オリジナルカレンダー

QUOカードから「選択式電子ギフト」へ

2027年3月末基準分から、QUOカードが今流行りの選択式電子ギフトへ変更されます。

交換先として現在予定されているのは、

Amazonギフトカード
PayPayマネーライト
dポイント

などです。

具体的な交換先や交換条件については、サービス決定後に改めて発表される予定です。

なお、優待金額や必要株数については変更ありません。

オリジナルカレンダーについても継続されます。

基準日も9月末から3月末へ変更

もうひとつ変更されるのが基準日です。

これまでの、

9月30日

から、

3月31日

へ変更されます。

変更後の初回基準日は2027年3月31日です。

ただし、2026年9月30日については従来制度どおり優待が実施されるため、

2026年9月末

2027年3月末

と続けて優待基準日を迎える形になります。

私が気になったポイント

今回の変更は、

「優待額が増える拡充」ではありません。

金額は変わらず、QUOカードが選択式電子ギフトになるという変更です。

AmazonギフトカードやPayPay、dポイントなどから選べるようになれば、使い道が広がったのは好感が持てて私はいいと思いますね!

一方で、

「紙のQUOカードだから使いやすかった」

という株主にとっては、必ずしも全員がメリットを感じる変更とは限りません。

また、基準日が9月から3月へ移りますが、2026年9月分は従来どおり実施されます。

したがって今回は、

優待価値そのものの増額というより、利便性と選択肢を増やす制度変更

と見るのが分かりやすいと思います。

② いちごホテルリート投資法人(3463)|ホテル宿泊割引の優待を継続

続いて、いちごホテルリート投資法人です。

こちらは株式会社ではなく、ホテルに特化して投資する**J-REIT(不動産投資法人)**です。

そのため厳密には「株主優待」ではなく「投資主優待」となります。

いちごホテルリートは、2026年9月時点で29ホテルを保有し、ホテル用不動産を中心に運用しています。

2026年7月末の投資主が対象

今回発表された優待は、

2026年7月期末時点の投資主

が対象です。

保有投資口数の条件はありません。

つまり1口保有でも対象になります。

有効期間は、

2026年10月20日~2027年9月末

です。

対象ホテルで10~12%割引

今回発表された主な宿泊割引は次のとおりです。

ホテルブランド優待内容
KOKOHOTELS一般プランから12%割引
スマイルホテル等公式サイトから10%割引
クインテッサホテル公式サイトから10%割引
ザ・ワンファイブ、THE KNOT等公式サイト内宿泊プランから10%割引

KOKOHOTELSについては、KOKOHOTEL、バリュー・ザ・ホテル、KAYA 京都 二条城など71施設が対象とされています。

スマイルホテルなどについても、北海道から沖縄まで全国のホテルが対象となっています。

私が気になったポイント

今回は新設や大幅拡充ではなく、

既存の宿泊割引優待を継続する

という発表です。

個人的に気になったのは、保有投資口数の条件がないことです。

1口から対象になるため、ホテルを実際に利用する人なら使いやすい制度です。

ただし、ここは注意点があります。

IRには、

利用時期や条件によっては、投資主優待より他の宿泊プランの方が有利になる場合がある

と明記されています。

つまり、

「10%割引だから必ず最安」

ではありません。

旅行サイトのセールやホテル独自プランなどの方が安いケースもあります。

そのため、この優待については金券のように「10%分の価値が確実にある」と考えるのではなく、

実際に対象ホテルを利用する際の選択肢がひとつ増える

程度に考える方がよさそうです。

③ クワザワホールディングス(8104)|3年以上保有で優待拡充

クワザワホールディングスは、北海道を中心に事業を展開する建設資材系企業グループです。

中核となる資材販売のほか、工事施工、新築・リフォーム、運輸、生コンクリートなどの製造、サッシ加工、サービス事業まで幅広く展開しています。

今回、株主優待について、

長期保有株主への拡充

と、

1年以上の継続保有条件追加

を発表しました。

現在の株主優待

これまでは継続保有期間の条件はありません。

毎年3月末時点で100株以上保有していれば、次のQUOカードがもらえました。

保有株数QUOカード
100株以上1,000円分
500株以上2,000円分
1,000株以上3,000円分

2027年3月末から継続保有1年以上が必要

変更後は、まず1年以上の継続保有が必要になります。

1年未満の場合は優待対象外、いわゆる瞬間株主対策ってやつですね

一方、3年以上継続保有すると優待額が増額されます。

また、新たに3,000株以上の区分も追加されます。

継続保有期間100株以上500株以上1,000株以上3,000株以上
1年未満対象外対象外対象外対象外
1年以上3年未満1,000円2,000円3,000円4,000円
3年以上2,000円3,000円4,000円5,000円

例えば100株の場合、

1年以上3年未満なら1,000円。

3年以上保有すると、

1,000円 → 2,000円

へ増額されます。

500株、1,000株についても3年以上保有すると、それぞれ1,000円分増額されます。

初回だけ経過措置あり

変更後の制度は2027年3月末から始まります。

ただし初回については経過措置があります。

2026年12月末と2027年3月末の株主名簿に、

同一株主番号で2回連続して記載

されていれば、実際には1年間保有していなくても「1年以上保有」として扱われます。

私が気になったポイント

今回のIRタイトルには「拡充」とありますが、ここは少し注意したいところです。

確かに、

3年以上保有すれば優待額アップ
3,000株以上の区分を新設

という拡充があります。

しかし同時に、

1年未満の株主は優待対象外

になります。

したがって今回の変更を単純に、

「株主優待が良くなった」

と見るのは少し違うと思います。

短期保有の株主にとっては条件が厳しくなり、長期間保有する株主にはメリットを増やした制度です。

会社側もIRで「中長期にわたり株式を保有してもらう」ことを変更理由として挙げています。

最近は株主優待でも、

長期保有条件を付けて、優待だけを短期的に取得する株主と長期株主を分ける

制度が増えている印象があります。

今回のクワザワHDも、その方向性がはっきりした変更だと思います。

④ 2026年9月17日の株主優待情報まとめ

本日は、株主優待・投資主優待に関する発表を3件確認しました。

銘柄コード発表内容注目ポイント
クロスキャット2307変更QUOカード→選択式電子ギフト、基準日9月→3月
いちごホテルリート投資法人3463優待継続全国の対象ホテルで10~12%宿泊割引
クワザワHD8104拡充・条件変更3年以上で増額、1年以上の保有条件追加

今日は3件とも内容の性格が違います。

クロスキャットは、

優待額は変えず、使い勝手を変更。(選択肢が増えた)

いちごホテルリートは、

既存のホテル宿泊割引を継続。

クワザワHDは、

長期保有株主を優遇する一方、短期保有には条件を厳しくする。

という内容です。

特に今回確認しておきたいのは、クワザワHDです。

IRタイトルだけを見ると「拡充」ですが、実際には1年以上の継続保有条件が新たに加わります。

株主優待情報を見るときは、

「新設」「拡充」という言葉だけではなく、必要株数・保有期間・基準日まで確認する

ことが大切だと改めて感じます。

また、クロスキャットのように優待額が変わらなくても、QUOカードから電子ギフトへの変更によって使い勝手が大きく変わるケースもあります。

今回の記事ではまず、2026年9月17日に何が発表されたのかという事実と、私が気になったポイントを整理しました。

この中で個別に気になる銘柄があれば、業績・財務・配当・現在株価まで確認し、本当に投資対象になるのかを改めて分析していきたいと思います。

※本記事は2026年9月17日に各社が公表したIR資料等をもとに作成しています。株主優待・投資主優待制度は今後変更される可能性がありますので、実際に投資する際は必ず最新の企業IRをご確認ください。

※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

ABOUT ME
マッスルトレーダーベイマックス
プライム企業で34年勤務(設備系管理職) 筋トレをこよなく愛するサラリーマン 2010年から株式投資を開始し、配当と株主優待を中心に多数保有 年間1000万円の配当収入を目標に、仕事と投資の両立を実践中 元現場管理のリアルな視点で、投資にも「地に足の着いた考え方」を持ち込みたいと考えています 。 保有資格 FP3級