2026年9月28日に発表された株主優待関連のIRを確認しました。

今回は、アトラエ(6194)、トビラシステムズ(4441)、プロジェクトホールディングス(9246)の3社です。

トビラシステムズは優待継続、アトラエは優待基準日に関する案内、そしてプロジェクトホールディングスは株主優待の廃止を発表しました。

それぞれ何が変わったのか、業績や財務も確認しながら投資対象としてどう見るかを整理します。

① アトラエ(6194)|9月決算でも優待の基準日は10月末

アトラエが今回発表したのは、株主優待の新設や変更ではありません。

2026年9月期の期末配当・株主優待・定時株主総会の基準日について、改めて注意を促す内容です。

株主優待の基準日は10月31日

アトラエは9月決算企業ですが、株主優待の基準日は9月30日ではなく10月31日です。

2026年の場合、権利付き最終日は10月28日となります。

つまり、9月28日の権利付き最終日で株式を保有していても、アトラエの株主優待を取得したことにはなりません。

項目2026年
株主優待の基準日10月31日
権利付き最終日10月28日
必要株数500株以上
初年度の継続保有条件なし

9月決算企業だからといって、株主優待まで9月末基準とは限りません。

優待を取得する場合は、決算月ではなく企業が定めている株主優待の基準日を確認する必要があります。

優待は500株以上から

アトラエは2026年5月に株主優待を新設しました。

「デジタル優待倶楽部」のポイントが付与され、Amazonギフトカードなどへ1ポイント=1円相当で交換できます。

保有株数優待ポイント
500~699株10,000ポイント
700~999株20,000ポイント
1,000~1,499株30,000ポイント
1,500~1,999株48,000ポイント
2,000株以上65,000ポイント

2026年は制度開始初年度のため、継続保有条件はありません。

ただし、2027年以降は500株以上を1年以上継続保有することが条件になります。

前年10月末、当年4月末、当年10月末の3回、同一株主番号で記録されている必要があるため、優待目的で長期保有する場合は条件も確認しておきたいところです。

500株なら総合利回りは約6.6%

9月28日の終値889円で500株購入すると、必要資金は約44万4,500円です。

2026年9月期の年間配当予想は39円なので、500株なら年間配当は1万9,500円になります。

項目500株の場合
投資額約44万4,500円
年間配当予想1万9,500円
優待1万円相当
配当+優待2万9,500円相当
総合利回り約6.6%

総合利回りだけを見ると高い水準です。

ただし、会社予想の配当39円に対する配当性向は70%を超えます。

私が一般企業を見る際に一つの目安としている40~50%程度と比べると高めなので、利回りだけで判断するのではなく、利益の伸びや今後の配当方針も確認する必要があります。

業績は増収でも利益は前年割れ

2026年9月期第3四半期累計では、売上高は前年同期比6.5%増の60億900万円でした。

一方、営業利益は17.9%減の11億円となっています。

2026年9月期3Q累計実績前年同期比
売上高60.09億円+6.5%
営業利益11.00億円▲17.9%
経常利益10.68億円▲19.7%
純利益7.81億円▲11.3%

主力の「Wevox」は伸びていますが、転職サイト「Green」の苦戦や、人件費・広告宣伝費の増加が利益を押し下げています。

一方、自己資本比率は50%を上回っており、財務面では一定の安心感があります。

9月10日には通期利益予想を上方修正し、年間配当も37円から39円へ増額しました。

株主優待と配当は魅力的ですが、今後は本決算で利益がどこまで回復するかも確認したいところです。

② トビラシステムズ(4441)|株主優待を変更なく継続

トビラシステムズは、2026年10月31日を基準日とする株主優待について、前年と同じ内容で継続すると発表しました。

100株で「トビラフォンモバイル」が1年間無料

対象となるのは、10月31日時点で100株以上を保有する株主です。

項目内容
必要株数100株以上
基準日10月31日
優待トビラフォンモバイル1年間無料
通常料金年額2,400円(税込)
実施回数年1回

「トビラフォンモバイル」は迷惑電話や迷惑SMSを検知・ブロックするアプリです。

自社サービスを株主優待として提供しているため、実際に利用する人にとっては分かりやすい優待です。

一方、利用しない人にとって2,400円の価値があるとは限りません。

株主優待は額面金額だけでなく、自分が実際に使えるかどうかで判断することが重要です。

総合利回り4%超でも記念配当に注意

9月28日の株価は1,530円。

100株購入する場合、必要資金は約15万3,000円です。

2026年10月期の年間配当予想は40円なので、100株なら年間配当は4,000円。優待2,400円をすべて使えると考えると、年間6,400円相当になります。

項目100株の場合
投資額約15万3,000円
年間配当予想4,000円
優待2,400円相当
配当+優待6,400円相当
総合利回り約4.2%

私が一つの目安としている総合利回り4%を超えています。

しかし、今年の配当40円には注意が必要です。

内訳は、

普通配当20円+設立20周年記念配当20円=40円

となっています。

つまり、20円分は今回限りの記念配当です。

今年の40円をそのまま今後も継続する配当として考えると、実際より利回りを高く見てしまう可能性があります。

仮に普通配当20円と優待2,400円だけで計算すると、現在株価での総合利回りは約2.9%です。

売上は大きく伸びている

2026年10月期第3四半期累計では、売上高が前年同期比27.1%増の26億3,600万円と大きく伸びています。

2026年10月期3Q累計実績前年同期比
売上高26.36億円+27.1%
営業利益7.55億円▲0.6%
経常利益7.71億円+1.0%
純利益5.16億円+0.1%

「トビラフォン Biz」「トビラフォン Cloud」などの法人向けサービスが伸びています。

一方、人材採用や開発への投資を増やしているため、売上ほど利益は伸びていません。

自己資本比率も50%を下回っているため、私の一般企業に対する基準では財務面をもう少し確認したい水準です。

業績成長は確認できますが、株主優待だけでなく、普通配当が今後どのように増えていくかも重要になります。

③ プロジェクトホールディングス(9246)|TOB成立を条件に株主優待を廃止

今回、最も大きな変更となったのがプロジェクトホールディングスです。

9月28日、株主優待制度の廃止を発表しました。

2026年3月31日分を最後に優待廃止

今回の優待廃止は、TX1株式会社による公開買付け(TOB)が成立することを条件としています。

成立した場合、2026年3月31日を基準日とした株主優待が最後となります。

項目内容
株主優待廃止予定
廃止条件TOB成立
最終優待2026年3月31日基準分
9月末の新規ポイントなし

ここで注意したいのが、9月末の保有条件です。

2026年3月末に付与されたポイントをまだ交換していない株主については、9月30日時点で同一株主番号のまま300株以上を保有するなどの条件を満たした場合、TOB成立後にポイント交換期間が再開される予定です。

しかし、これは9月末に新しい株主優待が付与されるという意味ではありません。

3月末に付与されたポイントをまだ利用していない株主に対する対応です。

TOB価格は1株2,200円

同日、プロジェクトホールディングスはTX1株式会社によるTOBへの賛同と、株主への応募推奨を発表しました。

TOB価格は1株2,200円です。

公開買付期間は2026年9月29日から11月11日までを予定しています。

TOB成立後は完全子会社化が予定されており、最終的には上場廃止となる見込みです。

そのため、今後この銘柄を見る場合は、通常の優待株のように、

「配当利回りは何%か」

「優待利回りは高いか」

「業績は成長しているか」

という見方よりも、TOB価格と市場価格との差や、公開買付けの成立状況を確認することが中心になります。

まとめ|9月28日は優待内容だけでなく「基準日」と「廃止」に注意

今回の3社をまとめると、次のようになります。

企業優待の変更私の判断
アトラエ(6194)10月末基準日の注意喚起本決算と株価を確認したい
トビラシステムズ(4441)優待継続記念配当を除いて判断したい
プロジェクトホールディングス(9246)TOB成立を条件に優待廃止優待目的では対象外

私の意見

今回の3社で、私が投資候補として一番気になるのはアトラエです。

500株では配当と優待を合わせた総合利回りが約6.6%あり、Amazonギフトカードなどへ交換できるため、優待の使いやすさもあります。

一方で、PERは私が割安株を探す際に一つの目安としている10倍前後より高く、配当性向も70%を超えています。

営業利益も前年同期比では減益となっているため、優待だけを理由にすぐ購入するのではなく、まず本決算を確認したいと考えています。

トビラシステムズは業績成長が続いている点は魅力ですが、今年の配当40円のうち20円は20周年記念配当です。

表面上の総合利回り4%超だけを見るのではなく、記念配当を除いた通常時の利回りで考える必要があります。

プロジェクトホールディングスについては、株主優待廃止だけでなくTOBによる上場廃止が予定されているため、優待株として新たに購入を検討する銘柄ではなくなりました。

今回改めて感じるのは、「優待がある」「利回りが高い」という情報だけでは投資判断はできないということです。

基準日はいつなのか。

その配当は通常配当なのか、記念配当なのか。

優待は今後も続きそうなのか。

そして、企業そのものの業績や財務はどうなのか。

ここまで確認してから購入を考えることが大切です。

私が株を買う前に確認しているPER・PBR・配当・財務・業績・優待・買値の7項目については、こちらの記事で詳しくまとめています。

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今後も、その日に発表された株主優待情報を確認し、「何が変わったのか」「どこに注意したいのか」まで分かるように整理していきます。

※本記事は2026年9月28日に公表された各社IR資料をもとに作成しています。株主優待制度は今後変更される可能性がありますので、実際に投資する際は最新の企業IRをご確認ください。

※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

ABOUT ME
マッスルトレーダーベイマックス
プライム企業で34年勤務(設備系管理職) 筋トレをこよなく愛するサラリーマン 2010年から株式投資を開始し、配当と株主優待を中心に多数保有 年間1000万円の配当収入を目標に、仕事と投資の両立を実践中 元現場管理のリアルな視点で、投資にも「地に足の着いた考え方」を持ち込みたいと考えています 。 保有資格 FP3級