2026年10月15日に発表された株主優待関連のIRを確認しました。

本日は、オンデックの電子ギフト1万円の優待新設や、東名の株主優待大幅拡充など、注目したい発表がありました。

特に東名は、100株保有時の年間優待額を従来の500円から4,000円へ増額。オンデックも300株で1万円、1,000株なら5万円相当の電子ギフトを新設しています。

一見すると、どちらも魅力的な株主優待です。

しかし、私が株式を購入する際に重視しているのは、優待利回りだけではありません。

今回は10月15日に確認できた4社について、各社の公式IRから優待内容・必要資金・総合利回りを整理。さらに最新決算と財務状況を確認し、実際に買いたい銘柄なのかを判断します。

① 東名(4439)|100株優待が年間500円から4,000円へ

何が変わった?年1回から年4回へ拡充

中小企業向けのインターネット回線や電力サービスなどを提供する東名が、株主優待制度の拡充を発表しました。

今回の変更で、これまで年1回だった株主優待が年4回になります。

保有株数変更前・年間変更後・年間
100株以上500円4,000円
300株以上1,000円5,000円
1,000株以上10,000円10,000円

※保有株数ごとに該当する区分の金額を表示。

100株保有の場合、年間500円から4,000円へ8倍となる大幅拡充です。

優待品はデジタルギフトで、AmazonギフトカードやPayPayマネーライト、QUOカードPayなどから選択できます。

また、東名の「オフィス光119」または「オフィスでんき119」を契約している株主には、条件を満たすことで年間4,000円分が追加。

ただし、こちらは対象サービスの契約と専用フォームによる申請が必要です。

通常の株主優待とは分けて考える必要があります。

必要資金と総合利回りを確認

2026年10月15日の終値は1,014円でした。

年間配当は2027年8月期の会社予想17円を使用します。

項目100株保有
必要資金101,400円
年間配当1,700円
年間優待4,000円
配当利回り約1.68%
総合利回り約5.62%

総合利回りは5%を超えます。

ただし、100株保有と300株保有では資金効率に差があります。

300株では年間優待が5,000円となりますが、必要資金は304,200円です。

優待目的であれば、100株保有の方が効率的と考えられます。

新制度は2026年11月末の基準日から始まります。

最新決算は増収増益、自己資本比率65.5%

同日発表された2026年8月期決算を確認します。

項目実績・前年同期比
売上高325億79百万円(12.1%増)
営業利益35億69百万円(8.4%増)
純利益24億70百万円(1.5%増)
自己資本比率65.5%
営業CF8億19百万円のマイナス

売上高・営業利益ともに増加しており、自己資本比率も前期末の58.9%から65.5%へ改善しました。

一方で、気になるのが営業キャッシュフローです。

前期は24億17百万円のプラスでしたが、今期は8億19百万円のマイナスとなりました。

会社の説明では、売上債権の増加や法人税の支払いなどが資金減少の主な要因です。

利益が伸びていても、現金が同じように増えているわけではありません。

なお、2027年8月期は売上高402億36百万円、営業利益46億33百万円と、引き続き増収増益を予想しています。

私の判断|購入候補。ただしストップ高後は追いかけない

今回の4社の中では、東名を最も高く評価しています。

理由は、優待の拡充だけでなく、事業の成長性と財務の健全性をある程度確認できるためです。

ただし、10月15日の株価は前日比150円高の1,014円となり、ストップ高で取引を終えました。

好材料を受けて急騰した株を、その勢いだけで購入するつもりはありません。

営業キャッシュフローの改善も確認したいところです。

私なら、すぐに飛びつかず、株価が落ち着くのを待って購入を検討します。

② オンデック(7360)|300株で1万円、1,000株で5万円の優待新設

株主優待を初めて導入

中小企業のM&A仲介事業を展開するオンデックが、初めて株主優待制度を導入すると発表しました。

今回の優待内容は次のとおりです。

保有株数年間優待額
300~499株10,000円
500~999株20,000円
1,000株以上50,000円

優待品は、電子マネーやポイントなどに交換できる電子ギフトです。

基準日は毎年11月末の年1回。

初回は2026年11月末の株主を対象とします。

会社は単年度限りではなく継続的に実施する予定と説明しています。

ただし、業績や財政状態などによって制度を変更・中止する可能性も明記しています。

総合利回りは最大8%超!

2026年10月15日の終値611円で計算すると、次のようになります。

保有株数必要資金優待利回り
300株183,300円約5.46%
500株305,500円約6.55%
1,000株611,000円約8.18%

年間配当予想は0円のため、優待利回りがそのまま総合利回りとなります。

1,000株なら約61万円の投資で、年間5万円相当の電子ギフトです。

数字だけを見れば、かなり魅力的です。

しかし、私はこのような高利回り優待ほど慎重に判断しています。

重要なのは、今後も企業がこの株主還元を継続できるだけの利益を稼げるかどうかです。

最新決算は黒字転換、自己資本比率63.8%

同日発表された2026年11月期第3四半期累計決算を確認します。

項目実績
売上高11億49百万円(101.6%増)
営業利益2億25百万円
純利益1億54百万円
自己資本比率63.8%
年間配当予想0円

前年同期は営業赤字でしたが、今回は黒字転換しました。

売上高は前年同期から倍増しています。

ただし、注意しておきたい点があります。

2026年11月期の会社予想では、通期営業利益は1億94百万円、純利益は1億31百万円です。

すでに第3四半期累計の利益が通期予想を上回っていますが、会社は予想を据え置いています。

M&A仲介事業は大型案件の成約時期によって業績が変動しやすい特徴あり。

また、今回の決算でも大型案件の成約が利益を押し上げています。

2026年10月15日の出来高はわずか500株は気になるところ。

売買が少ない銘柄では、希望する価格で購入・売却できない可能性があることも忘れてはいけません。

私の判断|優待は魅力的だが新規購入は見送り

私は、現時点では購入を見送ります。

自己資本比率63.8%は評価できますが、事業の利益変動が大きく、高額な優待の継続性についてはまだ判断材料が不足しています。

例えば1,000株保有者に年間5万円相当を贈呈する制度は、会社にとって一定の負担になります。

今後の株主数や保有株数の分布によっては、優待費用が増える可能性もあります。

さらに、出来高が極端に少ないことも購入をためらう理由です。

優待利回り8%という数字だけで、今すぐ購入するつもりはありません。

次の本決算で利益の着地と制度の継続性を確認したい銘柄です。

③ ヒマラヤ(7514)|創業50周年の記念株主優待を実施

2027年2月末限定で記念優待を追加

スポーツ用品販売のヒマラヤが、創業50周年を記念した株主優待の実施を発表しました。

今回の優待は、既存の株主優待とは別に追加される特別な制度です。

「ヒマラヤ株主プレミアムメンバーズ」に登録している場合、次のポイントが追加されます。

保有株数通常優待・1回記念追加分
100株以上1,000pt1,000pt
500株以上3,000pt4,000pt
2,000株以上6,000pt6,000pt
5,000株以上15,000pt11,000pt
10,000株以上30,000pt11,000pt

※保有株数ごとに該当する区分を表示。

100株保有者なら、通常の1,000ポイントに加えて1,000ポイントがもらえます。

ただし、今回の記念優待は2027年2月末を対象とするものです。

毎年継続して追加されるわけではありません。

また、100~299株を保有していてプレミアムメンバーズに加入していない場合は、記念優待の対象外です。

記念ポイントを受け取るには、基準日までに登録する必要があります。

100株の総合利回りは記念優待込みで約6.57%

2026年10月15日の終値852円で計算します。

項目100株保有
必要資金85,200円
年間配当予想2,600円
通常優待・年間2,000円相当
50周年記念優待1,000円相当
記念優待込み総合利回り約6.57%

この数値は、プレミアムメンバーズに登録し、年2回の通常優待と今回の記念優待をすべて利用できると仮定したものです。

記念優待を除く通常の総合利回りは約5.40%です。

最新決算は最終赤字8億60百万円

ここで2026年8月期の本決算を確認します。

項目実績・前年同期比
売上高610億99百万円(1.1%増)
営業利益2億90百万円(1.7%増)
純利益8億60百万円の赤字
自己資本比率39.7%
営業CF2億29百万円
年間配当予想26円

売上高と営業利益は増加しています。

しかし、当期純利益は赤字でした。

主な要因の一つは、収益性が低下した店舗の固定資産などに関して計上した減損損失です。

特別損失は11億62百万円に達しています。

さらに自己資本比率は前期末の47.1%から39.7%へ低下しました。

2027年8月期は純利益50百万円への黒字転換を予想していますが、年間配当26円に対する予想配当性向は635.7%です。

これは、予想される年間利益よりも配当総額が大きいことを意味します。

私の判断|総合利回り6%超でも購入は見送り

今回の記念優待は、既存株主にとってうれしい内容ではないでしょうか。

しかし、新規購入については見送りたい。

理由は、業績と財務の両方に不安があるためです。

特に、今期の最終赤字と来期の低い利益予想を見ると、年間26円の配当を今後も継続できるのか慎重に考える必要があります。

記念優待の1,000円相当は今回限りです。

一時的な高利回りを理由に購入するよりも、本業の収益改善を確認することを優先します。

④ property technologies(5527)|増配と株主優待拡充を同時発表

QUOカード5,000円から電子ギフト6,000円へ

中古住宅の買取再販などを手がけるproperty technologiesが、配当予想の増額と株主優待制度の変更を発表しました。

今回の変更内容は次のとおりです。

項目変更前変更後
必要株数300株以上300株以上
優待内容QUOカード電子ギフト
優待額5,000円6,000円
基準日11月末11月末

優待金額は20%増加します。

ただし、電子ギフトの交換先などは今後発表される予定です。

QUOカードから電子ギフトへの変更が、すべての株主にとって使いやすさの改善になるとは限りません。

新制度は2026年11月末から始まります。

配当は25円から32円に増額

2026年11月期の年間配当予想は、従来の25円から32円に引き上げられました。

2026年10月15日の終値807円で300株保有した場合を計算します。

項目300株保有
必要資金242,100円
年間配当9,600円
年間優待6,000円
配当利回り約3.97%
総合利回り約6.44%

私の目安である配当利回り3%、総合利回り4%を大きく上回っています。

ただし、今回のIRは15日の取引終了後に公表されました。

終値807円は増配・優待拡充の発表前の株価です。

翌営業日以降に株価が上昇すれば、購入時の総合利回りは低下します。

営業利益15.0%増、自己資本比率は19.2%

同日発表された2026年11月期第3四半期累計決算を確認します。

項目実績・前年同期比
売上高375億66百万円(4.1%増)
営業利益17億75百万円(15.0%増)
純利益8億23百万円(5.5%増)
自己資本比率19.2%
年間配当予想32円

増収増益という点は評価できます。

一方、自己資本比率19.2%は、私の健全性の目安である50%を大きく下回ります。

中古住宅の買取再販は、物件の仕入れに多額の資金が必要な事業です。

そのため、他の業種と同じ自己資本比率だけで評価することはできません。

しかし、直近の貸借対照表を見ると、短期借入金は約294億円に達しています。

支払利息も前年同期より増加しており、金利上昇や不動産市況の悪化が利益に与える影響には注意が必要です。

私の判断|増配は評価するが、現時点では見送り

今回の増配と優待拡充は、株主還元を強化する動きとして評価できます。

予想PERも、807円と予想EPS104.75円から計算すると約7.7倍です。

ただし、PERが低いという理由だけでは購入しません。

財務面の安全性と事業の資金負担を考えると、私の長期保有銘柄としては慎重に判断したい企業です。

また、IR発表後の株価上昇によって総合利回りが変わる可能性もあります。

総合利回り6%超は魅力的ですが、財務面の懸念が解消するまでは購入を見送ります。

⑤ まとめ|2026年10月15日の株主優待IR一覧

今回確認できた4社の発表内容と、私の判断をまとめます。

企業優待の変更私の判断
東名(4439)100株で年間4,000円へ拡充購入候補・押し目待ち
オンデック(7360)300株で1万円の電子ギフト新設見送り
ヒマラヤ(7514)創業50周年記念優待見送り
property technologies(5527)電子ギフト6,000円・増配見送り

私の意見|一番買いたいのは東名。ただし今すぐ買わない

今回の4社で私が最も購入を検討したいのは、東名(4439)です。

確かに、総合利回りだけを比較すれば、オンデックやproperty technologiesの方が高い数字です。

しかし、私は株主優待が継続されることを前提に、長期的な企業価値を考えています。

東名は自己資本比率65.5%と比較的健全な財務基盤を持ち、来期も増収増益を予想しています。

100株で年間4,000円の優待という点も、少額で優待投資を始めたい人にとって魅力がありるでしょう。

一方で、営業キャッシュフローがマイナスだったこと、配当利回り自体は2%に届かないこと、そして株価がストップ高となったことは無視できません。

私は今すぐ購入するのではなく、株価の過熱感が落ち着き、企業業績に問題がないことを確認してから再検討します。

オンデックの1万円優待も気になりますが、優待制度を継続できる収益力と、株式の流動性を確認するまでは見送りです。

今回のように、株主優待の新設や拡充が相次ぐ日は、どうしても利回りの高さに目が向きます。

しかし、高い優待利回りと安心して長期保有できる企業は、必ずしも一致しません。

今後も、その日に発表された株主優待情報を確認し、「何が変わったのか」「どこに注意したいのか」まで分かるように整理していきます。

※本記事は2026年10月15日に公表された株主優待関連IRと、各社の直近決算資料をもとに作成しています。調査時点で確認できた4件を対象としており、当日の全適時開示の完全な網羅を保証するものではありません。

※株価は2026年10月15日の東証終値、配当・総合利回りは会社予想と公表された優待内容に基づく試算です。税金・売買手数料は考慮していません。電子ギフト・優待ポイントを額面どおり利用できる場合の数値を含みます。

※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

ABOUT ME
マッスルトレーダーベイマックス
プライム企業で34年勤務(設備系管理職) 筋トレをこよなく愛するサラリーマン 2010年から株式投資を開始し、配当と株主優待を中心に多数保有 年間1000万円の配当収入を目標に、仕事と投資の両立を実践中 元現場管理のリアルな視点で、投資にも「地に足の着いた考え方」を持ち込みたいと考えています 。 保有資格 FP3級