【2026年9月30日】株主優待IRまとめ|東京都競馬が優待を使いやすく変更、イクヨはBTC優待結果

2026年9月30日に発表された株主優待関連のIRを確認しました。
今回は、東京都競馬(9672)とイクヨ(7273)の2社です。
東京都競馬は大井競馬場の飲食優待券を使える店舗を拡大。イクヨは抽選方式で実施していたビットコイン株主優待の結果を発表しました。
それぞれ何が変わったのか、現在の優待内容だけでなく、必要資金・配当・業績・財務まで確認しながら投資対象としてどう見るかを整理します。
① 東京都競馬(9672)|大井競馬場の飲食優待券が使いやすくなる
東京都競馬は、株主優待の一つである「大井競馬場飲食優待券」の利用対象店舗を変更すると発表しました。
今回の変更は優待金額や枚数の縮小ではなく、利用できる店舗を増やす変更です。
「STAR LIGHT限定」から複数店舗へ拡大
これまで500円分の飲食優待券は、大井競馬場内の「STAR LIGHT」でしか利用できませんでした。
しかし、大井競馬場の再整備工事に伴い同店の営業終了が予定されているため、今後は大井競馬場内の指定された複数店舗で利用できるようになります。
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 飲食優待券 | 500円 | 500円 |
| 利用店舗 | STAR LIGHT限定 | 指定する複数店舗 |
| 優待枚数 | 変更なし | 変更なし |
| 基準日 | 12月31日 | 変更なし |
対象店舗の詳細は2026年12月末頃に公表され、2027年3月に発送される優待券にも案内が同封される予定です。
今回変更されるのは利用店舗だけで、保有株数・継続保有期間・優待枚数などに変更はありません。2026年12月31日を基準日とする優待から適用されます。
金額が増えるわけではありませんが、使える場所が増えるので実質的には使い勝手の改善と考えてよいでしょう。
100株から東京サマーランドの招待券ももらえる
東京都競馬の株主優待は、飲食券だけではありません。
100株以上を保有すると、大井競馬場の株主優待証と東京サマーランドの株主招待券も受け取れます。
さらに、1年以上・3年以上と保有期間が長くなるほど東京サマーランドの招待券が増えます。
| 100株保有 | サマーランド通常招待券 | 春秋限定招待券 |
|---|---|---|
| 1年未満 | 2枚 | なし |
| 1年以上3年未満 | 4枚 | 4枚 |
| 3年以上 | 6枚 | 6枚 |
このほか、100株保有では大井競馬場株主優待証1枚と500円の飲食優待券1枚がもらえます。
長期保有判定では、6月末・12月末の株主名簿に同じ株主番号で継続して記録されている必要があります。
貸株サービスなどによって株主番号が変わる可能性があるため、長期優待を狙う場合は注意が必要です。
100株なら必要資金は約47万5,000円
9月30日の終値は4,750円でした。
100株購入する場合、
4,750円×100株=47万5,000円
必要です。
年間配当予想は1株146円なので、100株では年間1万4,600円。配当利回りは約3.1%です。
| 項目 | 100株の場合 |
|---|---|
| 投資額 | 約47万5,000円 |
| 年間配当予想 | 1万4,600円 |
| 配当利回り | 約3.1% |
| 飲食優待券 | 500円 |
| サマーランド招待券 | 2枚~ |
東京サマーランドの2026年の大人1Dayパスは、最も安い春季・秋季でも1人2,600円です。夏の繁忙期には5,600円の日もあります。
仮に1年未満の100株保有で、招待券2枚を最低価格の2,600円×2枚として実際に利用すると、
配当1万4,600円+サマーランド5,200円+飲食券500円=2万300円相当
となります。
大井競馬場の入場優待分を含めずに計算しても、総合利回りは**約4.3%**です。
ただし、これは東京サマーランドや大井競馬場を実際に利用する場合の話です。
行かない人にとって、優待の実質的な価値は大きく下がります。
株主優待は額面ではなく、自分が実際に使える価値で考えることが重要です。
業績・財務はかなり安定
2026年12月期の中間決算は増収増益でした。
| 2026年12月期中間期 | 実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 198.24億円 | +2.7% |
| 営業利益 | 73.57億円 | +3.9% |
| 経常利益 | 74.00億円 | +4.6% |
| 純利益 | 49.40億円 | +2.4% |
主力となっているインターネット投票サービス「SPAT4」などの公営競技事業が好調で、会社全体では堅調な業績が続いています。
さらに自己資本比率は中間期で77.8%。
私が一般企業を見る際の一つの目安である50%を大きく上回っています。
9月30日の株価4,750円では、
- 予想PER:約11.5倍
- PBR:約1.3倍
- 配当利回り:約3.1%
です。
PERは私が割安株を探す際の目安である10倍前後に比較的近く、配当利回りも3%を超えています。
さらに東京都競馬は60年以上減配せず、直近では7年連続で増配しており、中期経営計画では連結配当性向35%を基準とする方針を掲げています。
今回の優待変更は小さな内容ですが、配当・財務・業績・優待を合わせて見ると興味深い銘柄です。
② イクヨ(7273)|ビットコイン優待を493名へ配布
イクヨが9月30日に発表したのは、株主優待の新設や拡充ではありません。
2026年7月に詳細を発表していた抽選方式のビットコイン株主優待について、実際に誰へどれだけ配布したかという結果報告です。
500株以上の株主を対象にビットコインを抽選
対象となったのは、
2026年3月31日時点で500株以上を保有し、6月30日まで継続保有していた株主
です。
抽選によって、
- 10万円相当
- 3万円相当
- 1万円相当
のいずれかのビットコインが贈呈されました。
今回の結果は次の通りです。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| ビットコイン配布人数 | 493名 |
| BTC配布総量 | 0.61761634 BTC |
| 基準BTC価格 | 1BTC=12,677,706円 |
| 1等 | 10万円相当×10名 |
| 配布日 | 2026年9月30日 |
受け取りにはCoin Estateの口座が必要で、株主本人と口座名義が一致している必要があります。
なお、今回のビットコイン優待は抽選方式です。
500株持っていれば毎年必ずビットコインがもらえる制度ではありません。
そのため、通常の株主優待のように「優待利回り○%」として計算するのは適切ではないでしょう。
実は9月9日に別の「継続優待」を新設済み
イクヨを見る場合、今回のビットコイン優待だけでは不十分です。
9月9日には別に、毎年継続して実施する株主優待制度を発表しています。
内容はかなり目を引きます。
1,000株以上を1年以上継続保有すると、QUOカード6万円分を年1回贈呈
という制度です。
| 項目 | 継続優待 |
|---|---|
| 必要株数 | 1,000株以上 |
| 継続保有 | 1年以上 |
| 優待 | QUOカード6万円分 |
| 基準日 | 毎年9月末 |
| 実施回数 | 年1回 |
| 初回発送予定 | 2027年12月上旬 |
初回については、2026年9月末、2027年3月末、2027年9月末の3回、同じ株主番号で1,000株以上を保有していることが条件です。
そのため、今回の初回優待を狙う場合は2026年9月末の株主名簿に載っている必要があります。
9月30日の権利確定後に新たに購入しても、2027年12月発送予定の初回分には間に合いません。
1,000株なら表面上の総合利回りは10%超
9月30日の終値は610円です。
1,000株なら、
610円×1,000株=61万円
必要です。
2027年3月期の年間配当予想は1株3円なので、1,000株で年間3,000円です。
継続優待の6万円を加えると、
| 項目 | 1,000株の場合 |
|---|---|
| 投資額 | 約61万円 |
| 年間配当予想 | 3,000円 |
| QUOカード | 6万円相当 |
| 配当+優待 | 6万3,000円相当 |
| 表面上の総合利回り | 約10.3% |
数字だけを見れば非常に魅力的です。
しかし、ここで利回りだけを見て飛びつくのは注意が必要です。
第1四半期は赤字転落
2027年3月期第1四半期は、かなり厳しい決算となっています。
| 2027年3月期1Q | 実績 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 63.22億円 | 68.08億円 |
| 営業利益 | ▲5.33億円 | 1.95億円 |
| 経常利益 | ▲6.16億円 | 1.39億円 |
| 純利益 | ▲4.65億円 | 22.83億円 |
売上高は前年同期比7.1%減。
営業利益・経常利益・純利益はすべて赤字となりました。
会社は原材料価格の高騰などが利益を押し下げたと説明しています。
自己資本比率も、前期末40.6%から第1四半期末には**35.9%**まで低下しています。
これは私が一般企業で一つの目安としている50%を下回ります。
さらに9月30日時点では、
- 予想PER:約292倍
- PBR:約1.4倍
- 配当利回り:約0.5%
となっています。
PERが極端に高いのは、会社予想EPSが2円程度まで小さくなっているためです。
6万円優待は魅力的でも「継続できるか」を見る
イクヨ自身は、QUOカード優待について単年度限りではなく毎年継続する予定としています。
一方で、業績・財務状況・株主構成などによって制度を変更または中止する場合があるとも明記しています。
2027年3月期の通期純利益予想は6,100万円にとどまります。
その一方で1,000株保有者へ6万円のQUOカードを設定しているため、対象株主がどの程度になるのか、制度を長期的に維持できるのかは慎重に確認したいところです。
今日発表されたビットコイン優待の実施結果よりも、投資対象として見るなら、高額QUOカード優待と本業の利益・財務のバランスの方が重要です。
まとめ|9月30日は東京都競馬の優待改善とイクヨのBTC優待結果
今回の2社をまとめると、次のようになります。
| 企業 | 優待の変更 | 私の判断 |
|---|---|---|
| 東京都競馬(9672) | 飲食優待券を複数店舗で利用可能に | 優待を使えるなら買い候補 |
| イクヨ(7273) | BTC優待を493名へ配布 | 高額優待は魅力だが現状は様子見 |
私の意見
今回の2社なら、私が投資対象として気になるのは東京都競馬です。
今回の変更自体は、500円の飲食優待券を使える店舗が増えるという小さなものです。
しかし企業全体を見ると印象が変わります。
PERは約11.5倍と私の目安である10倍前後に比較的近く、配当利回りは約3.1%。
自己資本比率は77%を超え、直近決算も増収増益です。
さらに、東京サマーランドを実際に利用できる人なら100株・1年未満でも総合利回りは保守的に計算して約4.3%。
長期保有すれば招待券も増えます。
加えて60年以上減配がなく、近年は増配が続いている点も私の投資スタイルとは相性がいいです。
もちろん47万円以上の資金が必要ですし、東京サマーランドや大井競馬場を使わない人には優待価値が大きく下がります。
それでも、優待だけでなく、配当・業績・財務まで含めて確認できる銘柄として、今後もう少し詳しく調べてみたいと思いました。
一方のイクヨは少し違います。
1,000株でQUOカード6万円という条件だけを見ると、総合利回り約10%は非常に魅力的です。
しかし私は、このようなときほど優待以外の数字を確認します。
第1四半期は営業赤字、自己資本比率は35.9%。
通期予想EPSが約2円しかないためPERは約292倍です。
そして会社自身も、業績や財務状況などによって優待制度を変更・中止する可能性を明記しています。
「総合利回り10%だから買う」ではなく、「なぜこれだけ高い優待を設定できるのか、そして本当に続けられるのか」を先に確認したい銘柄です。
今日のビットコイン優待では493名に実際に配布されたことが確認できました。
それでも、抽選優待の実績と今後の高額QUOカード優待の持続性は別問題です。
今回の2社を見るだけでも、
優待の金額が大きい会社が、必ずしも投資対象として魅力的とは限らない
ことがよく分かります。
私が株を買う前に確認しているPER・PBR・配当・財務・業績・優待・買値の7項目については、こちらの記事で詳しくまとめています。
今後も、その日に発表された株主優待情報を確認し、「何が変わったのか」「どこに注意したいのか」まで分かるように整理していきます。
※本記事は2026年9月30日に公表された各社IR資料をもとに作成しています。株主優待制度は今後変更される可能性がありますので、実際に投資する際は最新の企業IRをご確認ください。
※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。












