ベルーナ(9997)の株価はなぜ安い?通販不振でも割安に見える4つの理由を分析

ベルーナ(9997)の株価を見ていると、「業績が大きく崩れているわけでもないのに、なぜこんなに安く評価されているのだろう?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、ベルーナは株価指標だけを見るとPER・PBRともに割安感があり、配当利回りも比較的高めです。さらに100株から株主優待を受けられるため、配当と優待を目的に長期保有を考えている方にとっては気になる銘柄だと思います。
一方で、「PERが低い」「PBRが1倍を下回っている」という理由だけで買っていい銘柄なのかというと、私はそう簡単ではないと考えています。
ベルーナと聞くと、カタログ通販をイメージする方が多いと思います。しかし、2018年頃から現在までの業績を追ってみると、ベルーナはすでに単純な通販会社ではありません。
通販事業が厳しい環境に置かれる一方で、ホテル・プロパティ事業が急速に成長し、現在では会社全体の利益を支える重要な柱になっています。
ところが、その成長の裏側ではホテル取得などによる大型投資が続き、借入金も増えています。
つまり、現在のベルーナの株価が安い理由は、
「通販事業が不振だから」
という一言だけでは説明できません。
ホテル事業への期待が高まる一方で、そのために増えた借入金や今後の収益性を市場が慎重に見ていることも、株価が割安なままになっている理由の一つだと考えられます。
では現在のベルーナは、本当に割安なのでしょうか。
そして、株主優待を目的に100株を保有し、配当をもらいながら中長期で持ち続ける銘柄として考えてもいいのでしょうか。
この記事では、ベルーナが公表しているIR資料を2018年まで遡り、
・ベルーナの株価はなぜ安いのか
・通販事業は本当に厳しいのか
・急成長しているホテル事業は今後も期待できるのか
・借入金の増加はどこまで心配する必要があるのか
・配当と株主優待は魅力的なのか
・現在の株価で買ってもいいのか
といった点を、投資初心者の方にも分かるように整理していきます。
最初に私の考えを少しだけお伝えすると、ベルーナは「株価が安いから買ってはいけない銘柄」ではありません。
ただし、割安だからといって何も考えずに大きく買う銘柄でもないと思っています。
私なら、まず100株を株主優待と配当目的で保有し、ホテル事業の成長と借入金の推移を確認しながら中長期で付き合っていく。
今回は、その理由を2018年からの業績変化を確認しながら詳しく見ていきます。
① ベルーナの株価はなぜ安い?まず知っておきたい4つの理由
ベルーナ(9997)の株価を見ると、PERやPBRは低い水準にあり、「業績が大きく悪いわけでもないのに、なぜこんなに安いのだろう?」と感じる方もいると思います。
ただし、株価が安い銘柄にはそれなりの理由があります。
ベルーナの場合は、単純に「通販事業が不振だから」というだけではありません。
現在の株価が低く評価されやすい理由は、大きく4つあると考えられます。
通販事業に以前ほど高い成長を期待しにくい
ベルーナといえば、まず思い浮かぶのがカタログ通販です。
2018年頃は総合通販や専門通販が会社の中心でしたが、現在はAmazonや楽天市場をはじめとするECサイトが定着し、通販市場の競争は以前より厳しくなっています。
さらに物流費、人件費、広告費などの上昇もあり、従来型の通販事業だけで大きな成長を続けることは簡単ではありません。
そのため市場から見ると、
「通販会社として今後大きく成長する企業」
という評価を受けにくくなっています。
これがPERが低くなりやすい理由の一つです。
ホテル事業は伸びているが、大きな投資が必要
一方、現在のベルーナで成長しているのがホテル・プロパティ事業です。
2026年3月期には、この事業の営業利益が会社全体の利益の半分を超える規模まで成長しました。
つまりベルーナは、すでに「通販だけの会社」ではありません。
これは大きなプラス材料です。
ただし、ホテル事業には大きな資金が必要です。
ホテルを取得し、改修し、運営していくためには多額の投資が必要となります。
ホテルが計画通り利益を出せば問題ありませんが、宿泊需要の低下や人件費・光熱費の上昇などが起これば、思ったほど利益が伸びない可能性もあります。
そのため市場は、ホテル事業の成長だけでなく、その投資負担も合わせて見ています。
借入金が増えている
ホテルへの積極投資に伴い、ベルーナの借入金も増えています。
2026年3月期末では、短期・長期借入金を合わせると1,400億円を超える規模となりました。
また自己資本比率も40%台です。
このブログでは、財務の健全性を見る一つの基準として、
「自己資本比率50%以上」
を目安にしています。
この基準で見ると、ベルーナは「財務面で何も心配する必要がない会社」とまでは言えません。
もちろん、借入金そのものが悪いわけではありません。
借りた資金で取得したホテルが十分な利益を生み出せば、会社の成長につながります。
重要なのは、
増えた借入金以上に、ホテル事業が利益を生み出せるか
という点です。
高成長株として評価されにくい
ベルーナの売上高は、2018年3月期の約1,617億円から2026年3月期には約2,181億円まで増えています。
会社の規模は確実に大きくなっています。
しかし、8年間で売上や利益が何倍にもなった企業ではありません。
途中では利益が大きく落ち込んだ時期もあり、業績が一直線に成長してきたわけでもありません。
株式市場では、将来大きく利益が伸びると期待される企業には高いPERがつきやすくなります。
一方、
「安定して利益は出しているが、今後どこまで成長するか分からない」
という企業には、それほど高い評価がつかないことがあります。
現在のベルーナは、こちらに近い銘柄だと考えた方が分かりやすいでしょう。
以上を整理すると、ベルーナの株価が安い主な理由は、
通販事業の成長期待が低いこと、ホテルへの大型投資、借入金の増加、そして高成長企業として評価されにくいこと。
この4点です。
ただし、これだけを見て「だからベルーナは買ってはいけない」と判断するのも早いです。
なぜなら、2018年から現在までのベルーナを追うと、会社の利益構造そのものが大きく変わっているからです。
次は、ベルーナがこの8年間でどのように変化してきたのかを、業績の推移から確認していきます。
② 2018年から何が変わった?ベルーナ8年間の業績を確認
ベルーナが現在、本当に割安なのかを判断するには、直近1年の決算だけを見るのではなく、少し長い期間で業績を確認することが大切です。
2018年3月期から2026年3月期までの売上高と営業利益を並べると、ベルーナがどのように変化してきたのかが見えてきます。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 2018年3月期 | 1,617億円 | 130億円 |
| 2019年3月期 | 1,777億円 | 120億円 |
| 2020年3月期 | 1,800億円 | 103億円 |
| 2021年3月期 | 2,065億円 | 157億円 |
| 2022年3月期 | 2,201億円 | 138億円 |
| 2023年3月期 | 2,124億円 | 112億円 |
| 2024年3月期 | 2,083億円 | 98億円 |
| 2025年3月期 | 2,109億円 | 119億円 |
| 2026年3月期 | 2,181億円 | 165億円 |
ベルーナのIR資料を確認すると、2018年3月期は売上高1,616.7億円、営業利益130.1億円でした。その後、2019年、2020年と売上高は増えたものの、営業利益は120.1億円、103.1億円へ低下しています。
2020年までは「売上は増えても利益が伸びない」
2018年から2020年を見ると、売上高は約1,617億円から約1,800億円まで増えています。
ところが営業利益は、
130億円
↓
120億円
↓
103億円
と逆に減少しました。
つまり、この時期は会社の規模が大きくなっているのに、それが十分な利益につながっていませんでした。
初心者の方は売上高だけを見て、
「毎年売上が増えているから成長企業」
と判断しがちですが、重要なのは売上を増やして、最終的にどれだけ利益を残せたかです。
ベルーナの場合、この時期は売上拡大よりも利益率の低下が気になる状態でした。
2021年はコロナ禍で通販が一気に伸びた
大きな転換点となったのが2021年3月期です。
売上高は2,065億円、営業利益は157億円まで急増しました。
新型コロナウイルスによる外出自粛で通販需要が高まり、総合通販や専門通販が大きく伸びたことが主な理由です。
ベルーナ自身も、巣ごもり需要に加えて広告宣伝による新規顧客の獲得と高いリピート率が通販事業の増収増益につながったと説明しています。
ただし、これは通常時とは少し違う特殊な環境でした。
そのため2021年の数字だけを基準に、
「ベルーナはこれからも毎年このペースで成長する」
と考えるのは危険です。
2022年以降はコロナ特需が終了し利益が低下
2022年3月期には売上高が2,201億円まで増えましたが、営業利益は138億円へ減少しました。
ベルーナはこの理由の一つとして、コロナ禍による通販需要の一巡で既存顧客の反応率が鈍化したことを挙げています。
その後も営業利益は、
2023年3月期 112億円
2024年3月期 98億円
まで低下しました。
2024年3月期は売上高2,083億円に対して営業利益97.9億円となり、2018年3月期の営業利益130億円を大きく下回っています。
この時期だけを見ると、
「ベルーナは成長が止まったのではないか」
と思われても不思議ではありません。
これも株価が高く評価されにくかった理由の一つと考えられます。
2025年から利益が再び回復している
ところが、ここから状況が変わります。
営業利益は、
2024年3月期 98億円
↓
2025年3月期 119億円
↓
2026年3月期 165億円
まで回復しました。
2026年3月期の営業利益164.8億円は、2018年3月期の130.1億円だけでなく、コロナ特需があった2021年3月期の157.3億円も上回っています。
ただし、重要なのは利益が戻った理由です。
かつてのように通販事業が急成長したわけではありません。
2026年3月期では、プロパティ・ホテル事業の営業利益が85.5億円まで増加する一方、アパレル・雑貨事業はまだ4.1億円の営業赤字でした。
つまり現在のベルーナは、
「通販の復活で利益が戻った会社」ではなく、「ホテルなど別の事業が成長して利益構造が変わった会社」
と考えた方が実態に近いでしょう。
2018年からの数字を見ると、ベルーナは一度利益が大きく落ち込み、そこから別の収益源を育てながら再び過去最高水準の利益へ戻ってきたことが分かります。
では、その利益回復を支えているホテル・プロパティ事業は、本当に今後のベルーナを支える柱になれるのでしょうか。
次は、この事業を詳しく確認していきます。
③ 急成長するホテル・プロパティ事業は本当に期待できる?
現在のベルーナを見るうえで、最も重要なのがホテル・プロパティ事業です。
以前のベルーナは通販会社というイメージが強い企業でしたが、2026年3月期にはプロパティ・ホテル事業の営業利益が約85億円まで拡大しました。
会社全体の営業利益が約165億円ですから、単純に見ると全社利益の半分以上をこの事業が稼いでいることになります。
ここまで来ると、ホテルは「新しい事業」ではなく、すでにベルーナを支える重要な柱と考えてよさそうです。
ホテル事業の利益成長はかなり大きい
ベルーナはこれまで、北海道、京都、沖縄など観光需要の高い地域を中心にホテルや旅館の取得・運営を進めてきました。
近年はさらに取得を加速しており、屈斜路プリンスホテル、ホテル瑞鳳、秋保グランドホテルなどもグループに加わっています。
その結果、プロパティ・ホテル事業の売上高と利益は大きく拡大しました。
2026年3月期では、
- 売上高:約497億円
- 営業利益:約85億円
- 営業利益率:約17%
となっています。
ホテル事業としては高い利益率であり、通販だけに依存していた頃と比べると、ベルーナ全体の収益構造はかなり変化しています。
特に訪日外国人旅行者の増加や国内旅行需要の回復は、ホテル事業にとって追い風となっています。
ホテルを増やせば必ず利益が増えるわけではない
ただし、ホテル事業は成長性がある一方で注意点もあります。
最も大きいのが、ホテルを取得するために多額の資金が必要になることです。
ホテルを購入すれば、
- 取得費用
- 改修費用
- 人件費
- 光熱費
- 修繕費
など、多くの支出が発生します。
また、新しく取得したホテルがすぐに高い稼働率になるとは限りません。
実際、2027年3月期第1四半期ではホテル事業の売上高は増加した一方で、営業利益は前年同期を下回りました。
会社は、新しく取得したホテルが収益基盤を整えている途中であることや、ホテル取得に伴う費用などが影響したと説明しています。
つまり、
ホテルを増やしている=すぐに利益が増える
という単純な話ではありません。
インバウンド依存にも注意したい
現在のホテル業界では、訪日外国人旅行者の増加が大きな追い風となっています。
ベルーナのホテルも、この恩恵を受けています。
ただし、インバウンド需要は常に一定ではありません。
為替、景気、国際情勢、感染症などによって外国人旅行者が減れば、宿泊需要も影響を受ける可能性があります。
さらにホテル業界では、人手不足による人件費上昇や光熱費の増加も続いています。
そのため、売上高が増えていても、
利益率まで維持できるか
を確認する必要があります。
ホテル事業を見るときは、売上高だけでなく営業利益と利益率も一緒に確認した方がよいでしょう。
それでも通販一本足から脱却した意味は大きい
ここまでリスクを説明しましたが、ベルーナにとってホテル事業が成長した意味は大きいです。
もし現在も通販事業だけに依存していたなら、EC競争の激化や物流費上昇の影響を強く受け続けることになります。
しかし現在は、
通販が厳しいときでもホテルが利益を補う
という構造ができ始めています。
複数の事業で利益を稼げる会社になれば、一つの事業が不調でも会社全体の業績が大きく崩れにくくなります。
2018年頃のベルーナと現在のベルーナを比較したとき、最も大きな変化はこの点です。
ただし、そのホテル成長を支えるために借入金が増えていることも忘れてはいけません。
次は、ベルーナを中長期で保有するうえで最も注意したい財務と借入金の状況を確認していきます。
④ 借入金は大丈夫?ベルーナの財務をチェック
ベルーナを中長期で保有するうえで、私が最も注意して見たいのが財務です。
ホテル・プロパティ事業が成長していることはプラス材料ですが、その一方でホテル取得や設備投資に多くの資金を使っているため、借入金も増えています。
投資初心者の方は、
「借金が多い会社=危険」
と考えがちですが、必ずしもそうではありません。
大切なのは、借りたお金を使って、それ以上の利益を生み出せているかです。
自己資本比率は50%を下回っている
このブログでは、財務の健全性を見る一つの目安として、
自己資本比率50%以上
を基準にしています。
ベルーナの自己資本比率は2026年3月期で40%台となっており、この基準では「かなり財務が強い会社」とは言えません。
自己資本比率とは、会社が持っている資産のうち、返済する必要のない自己資本がどの程度あるかを示す数字です。
数値が高いほど、借入金など外部資金への依存が小さいと考えられます。
そのため、50%を下回っているベルーナについては、
「財務面は問題なし」と簡単に判断しない方がよい
という見方になります。
借入金はホテル投資とともに増加
ベルーナは近年、ホテルの取得を積極的に進めています。
そのため、短期借入金と長期借入金を合わせた金額も大きくなっています。
2026年3月期末では、借入金は合計で1,400億円を超える規模となっています。
金額だけを見ると非常に大きく感じますが、ホテルや不動産を取得する企業では、ある程度の借入金を使って事業を拡大すること自体は珍しくありません。
問題は、
借入金だけが増えて、利益が増えていない状態になっていないか
という点です。
現在のところ、ホテル・プロパティ事業は実際に利益を伸ばしており、2026年3月期には全社利益の大きな部分を稼ぐまで成長しています。
そのため、今の段階では「借入金が増えたから危険」とまでは言えません。
ただし、今後ホテル事業の利益が伸びなくなれば、借入金の重さが一気に気になる可能性があります。
設備投資が大きい点にも注意
ベルーナでは近年、設備投資額も増えています。
これはホテル取得や改修など、将来の利益を作るための投資です。
投資した資金が数年後に利益として返ってくれば問題ありません。
一方で、
- ホテルの稼働率が伸びない
- 宿泊単価が下がる
- 人件費や光熱費が上昇する
- 金利負担が重くなる
といったことが起きると、投資回収に時間がかかる可能性があります。
特に中長期で保有する場合は、単純に「ホテルが増えた」というニュースを見るだけでなく、
取得したホテルが実際に利益へつながっているか
を毎年確認したいところです。
財務を見るときは借入金と利益をセットで確認する
ベルーナの場合、財務を見るうえで一番大切なのは、
借入金の増加とホテル事業の利益成長をセットで見ること
です。
借入金が増えていても、営業利益やキャッシュフローがそれ以上に増えていれば、成長投資として評価できます。
反対に、
借入金は増える
↓
ホテルは増える
↓
しかし利益は増えない
という状態になれば注意が必要です。
現在のベルーナは、ホテル事業が利益を伸ばしているため、借入金増加がすぐに大きな問題になる状況ではありません。
ただし、自己資本比率は50%を下回っているため、財務面を完全に安心できる銘柄とも言い切れません。
中長期で保有するなら、今後も決算ごとに、
自己資本比率・借入金・ホテル事業の営業利益
この3点を確認しておくと分かりやすいでしょう。
次は、ベルーナを優待株として見るうえで重要な配当と株主優待を確認していきます。
⑤ 配当と株主優待は魅力的?100株保有でどれくらいお得か
ベルーナを検討する理由として、株価の割安感だけでなく、配当と株主優待に魅力を感じている方も多いと思います。
特にベルーナは100株から株主優待を受けられ、しかも年2回実施されます。
2026年9月24日の終値は1,075円なので、100株なら約10万7,500円で株主になることができます。
2027年3月期の年間配当は39円を予定
ベルーナの2027年3月期の年間配当予想は、1株39円です。
100株保有なら、
39円×100株=年間3,900円
の配当を受け取れる計算になります。
株価1,075円で計算すると、予想配当利回りは約**3.63%**です。
このブログでは配当利回り3%以上を高配当の一つの目安にしていますので、その基準はクリアしています。
さらにベルーナの年間配当は、
- 2022年3月期:19円
- 2023年3月期:20円
- 2024年3月期:20.5円
- 2025年3月期:29円
- 2026年3月期:38円
- 2027年3月期予想:39円
と増加しています。
また現在は、DOE(株主資本配当率)1.5%を下限、連結配当性向35%を目途とする配当方針を採用しています。
単純に業績が悪くなったらすぐ配当を大きく減らすという方針ではなく、安定配当を意識している点は中長期保有では確認しておきたいポイントです。
100株から年2回の株主優待
ベルーナでは、毎年3月末と9月末の株主名簿に記載された100株以上の株主を対象に株主優待を実施しています。
100株以上500株未満の場合、年2回それぞれ、
1,000円分の通販割引券
または、
1,000円分のベルーナネット専用ポイント
または、
1,000円相当の食品・お菓子・ワイン・日本酒
のいずれかを選択できます。
つまり100株なら、年間では2,000円相当の優待です。
通販を利用しない人でも食品などを選択できるため、比較的使いやすい優待といえるでしょう。
ホテルなどで使える割引券ももらえる
さらにもう一つあります。
100株以上500株未満では、ベルーナグループが運営・提携するホテルや飲食店などで利用できる、
1,000円割引券×2枚
も年2回受け取れます。
年間では額面4,000円分です。
対象にはベルーナグループのホテルや飲食店、ゴルフ場、SPAなどがあります。
ベルーナのホテルを実際に利用する方にとっては、こちらも魅力のある優待です。
ただし、ここは少し注意が必要です。
ホテル割引券には利用条件があるため、
「年間4,000円=現金4,000円と同じ」
とは考えない方がよいでしょう。
ホテルを利用しない人にとっては価値がほとんどありませんし、優待を使うために必要のない宿泊をしてしまえば本末転倒です。
100株の総合利回りを計算すると
まず、誰でも比較的利用しやすい配当と基本優待だけで計算してみます。
株価1,075円の場合、100株の投資金額は約10万7,500円です。
年間でもらえるのは、
- 配当:3,900円
- 基本優待:2,000円相当
合計5,900円相当。
単純計算すると、
総合利回りは約5.5%
となります。
ホテル割引券は含めていません。
もしホテル割引券4,000円分まで額面通り使える人なら、年間の還元額は9,900円相当となり、額面上の総合利回りは9%を超えます。
しかし、優待投資では数字を大きく見せるより、
「自分が確実に使える優待だけを利回りに入れる」
ことが大切です。
そのためベルーナの場合も、まずは配当+年間2,000円相当の基本優待で考え、ホテル券は利用できればプラスと考える方が分かりやすいでしょう。
500株や1,000株まで増やす必要はある?
ベルーナの優待は保有株数によって増えます。
| 保有株数 | 基本優待(1回) | 施設割引券(1回) |
|---|---|---|
| 100株以上500株未満 | 1,000円相当 | 2,000円分 |
| 500株以上1,000株未満 | 3,000円相当 | 6,000円分 |
| 1,000株以上 | 5,000円相当 | 10,000円分 |
これらが年2回実施されます。
ただし、保有株数を5倍、10倍に増やしたからといって、優待利回りまで同じ割合で良くなるわけではありません。
100株なら約10万円で優待制度に参加できますが、500株なら約54万円、1,000株なら約108万円の資金が必要になります。
株主優待を主な目的とするのであれば、まず100株から検討する方が資金効率は分かりやすいでしょう。
配当3%台に年2回の株主優待が加わるため、ベルーナは株主優待と配当を受け取りながら中長期で保有する候補としては検討しやすい銘柄です。
ただし、株主優待がお得だからという理由だけで購入価格を考えなくてよいわけではありません。
次は現在のPER・PBRや株価水準を確認し、ベルーナは本当に割安なのか、現在の1,000円台で買ってもいいのかを見ていきます。
⑥ ベルーナは本当に割安?現在の株価水準を確認
ここまで業績や財務、株主優待を見てきました。
では、現在のベルーナの株価は本当に割安なのでしょうか。
2026年9月24日時点の株価は1,080円前後で、主な株価指標は次のようになっています。
| 項目 | 現在の水準 |
|---|---|
| 株価 | 約1,080円 |
| 予想PER | 約8.7倍 |
| PBR | 約0.69倍 |
| 予想配当利回り | 約3.6% |
| ROE | 約7.9% |
| 自己資本比率 | 44.5% |
PERは10倍を下回り、PBRも1倍を大きく下回っています。
数字だけを見ると、かなり割安に見える水準です。
PER8倍台は確かに低い
PERとは、現在の株価が会社の利益に対して何倍まで買われているかを見る指標です。
例えばPER20倍なら、1株利益の20倍まで株価が評価されているということです。
ベルーナは約8.7倍ですから、利益に対して株価はそれほど高く評価されていません。
ただし、
「PERが低い=必ず株価が上がる」
という意味ではありません。
これまで説明してきたように、通販事業の成長性やホテルへの大型投資、借入金の増加などを市場が慎重に見ているからこそ、低いPERにとどまっているとも考えられます。
PBR0.7倍前後でも、それだけで買わない
PBRも約0.69倍です。
PBR1倍を下回ると、
「会社が持つ純資産より株価が安い」
と説明されることがあります。
そのため初心者の方は、
「PBR1倍以下ならお買い得」
と思ってしまうかもしれません。
しかしベルーナの場合、ホテルや不動産など多くの資産を持つ一方で、借入金も増えています。
重要なのは資産を持っていることではなく、
その資産を使って、今後どれだけ利益を生み出せるか
です。
PBR0.69倍だけを理由に買うのは避けた方がよいでしょう。
指標は安いが、株価そのものは年初来高値に近い
ここが特に注意したいところです。
2026年のベルーナは、
- 年初来高値:1,108円
- 年初来安値:823円
となっています。
現在の1,080円前後という株価は、年初来高値にかなり近い位置です。
つまり、
PERやPBRでは割安でも、直近の株価だけを見ると安値で買える状態ではありません。
「割安株」と「今すぐ安く買える株」は、同じ意味ではないということです。
この違いは、投資初心者の方には特に覚えておいてほしいところです。
配当利回り4%なら株価975円
ベルーナの2027年3月期予想配当は年間39円です。
配当利回りから購入価格を逆算すると、
39円÷4%=975円
となります。
つまり株価975円なら、予想配当利回りは4%になります。
現在の1,080円前後では約3.6%ですから、株価が1,000円近辺まで下がれば、配当目的ではさらに魅力が増します。
もちろん975円になれば必ず買うという意味ではありません。
その時点で業績が悪化して株価が下がっている可能性もあるため、株価と一緒に下落理由を確認することが必要です。
最新決算では営業利益が減少している
もう一つ確認しておきたいのが、2027年3月期第1四半期です。
売上高は前年同期比2.7%増加しましたが、営業利益は21.8%減少しました。
一方で経常利益、純利益は増加しています。ベルーナは2026年7月31日にこの第1四半期決算を公表しています。
つまり現在は、
「業績が全面的に好調だから株価が割安」
という状態ではありません。
ホテル事業への期待はあるものの、今後も利益が順調に伸びるのか確認する必要があります。
現在のベルーナを整理すると、
株価指標では割安
配当利回りも3%を超える
しかし株価位置は年初来高値圏
直近決算には減益項目もある
という状態です。
そのため、「PER8倍だからすぐ買う」と判断するのではなく、次は100株を株主優待目的で中長期保有する銘柄として本当に向いているのかを確認していきます。
⑦ 株主優待目的で中長期保有して大丈夫?
ベルーナは、株主優待と配当を受け取りながら中長期で保有する銘柄として考えやすい会社です。
ただし、優待があるからという理由だけで長期保有を決めるのではなく、**「優待が続くか」「配当が維持できるか」「本業が悪化していないか」**を定期的に確認する必要があります。
100株なら比較的保有しやすい
2026年9月24日時点の株価は1,000円台なので、100株なら約10万円前後の投資で株主になることができます。
100株保有では、
- 年間配当
- 年2回の基本優待
- ホテルなどで使える施設割引券
を受け取れます。
特に100株は、ベルーナの優待制度に参加するための最低単元であり、500株や1,000株まで増やすより資金負担も小さくなります。
株主優待を目的に初めてベルーナを買うのであれば、まず100株から考える方が無理のない選択です。
優待だけでなく配当もあるため長期保有しやすい
ベルーナは優待だけの銘柄ではありません。
2027年3月期の年間配当予想は39円で、現在の株価水準では配当利回り3%台です。
さらに100株では年間2,000円相当の基本優待があります。
ホテル割引券を除いても、配当と基本優待を合わせた総合利回りは5%前後になります。
このように、配当と優待の両方を受け取れることは、中長期保有では大きなメリットです。
株価がすぐに上がらなくても、配当と優待を受け取りながら待つことができます。
優待廃止リスクは忘れない
ただし、株主優待は会社が必ず続けなければならない制度ではありません。
業績悪化や株主還元方針の変更によって、
- 優待内容の縮小
- 必要株数の変更
- 長期保有条件の追加
- 優待そのものの廃止
が行われる可能性があります。
そのため、
「この優待が永久に続く」
と考えて購入するのは避けた方がよいでしょう。
株主優待はあくまでプラス材料であり、会社の利益や財務が長期保有できる状態かどうかを優先して確認することが大切です。
長期保有ではホテル事業と借入金を確認したい
ベルーナを中長期で保有する場合、毎日の株価を見る必要はありません。
むしろ決算発表のたびに、次の3点を確認する方が重要です。
① ホテル・プロパティ事業の利益が伸びているか
売上高だけではなく、営業利益も増えているかを確認します。
② 借入金が増えすぎていないか
ホテル取得を続けることで借入金だけが大きく増えていないか確認します。
③ 配当と株主優待が維持されているか
長期保有の目的である株主還元が続いているかを確認します。
この3点が大きく崩れていなければ、短期的に株価が下がっただけで慌てて売却する必要性は低くなります。
逆に長期保有を見直したいケース
一方で、次のような状態が続くようなら注意が必要です。
- ホテル事業の売上は増えているのに利益が減り続ける
- 借入金だけが大きく増える
- 自己資本比率がさらに低下する
- 配当方針が後退する
- 株主優待が大幅に縮小される
- 通販やアパレルなど他事業の赤字が拡大する
1回の決算だけで判断する必要はありませんが、複数の問題が同時に続くようであれば、中長期保有の前提を見直す必要があります。
ベルーナは、株主優待と配当を受け取りながら長期保有する候補としては考えやすい銘柄です。
ただし、「優待があるから一生保有」ではなく、ホテル事業の成長と財務を確認しながら保有する銘柄と考えた方がよいでしょう。
次はここまでの内容を踏まえて、ベルーナはどんな人なら買ってもよく、どんな人には向いていないのかを分かりやすく整理します。
⑧ ベルーナを買ってもいい人・買わない方がいい人
ここまでベルーナの業績、ホテル事業、財務、配当、株主優待を確認してきました。
最後に、ベルーナがどのような投資家に向いているのかを整理します。
ベルーナを買ってもいい人
ベルーナが向いているのは、次のような人です。
株主優待を楽しみながら中長期で保有したい人
100株から年2回の優待を受けられるため、少額から優待投資を始めたい人には考えやすい銘柄です。
配当利回り3%以上を一つの基準にしている人
2027年3月期の年間配当予想は39円で、現在の株価水準では配当利回り3%台です。
優待と合わせれば、保有中の楽しみも増えます。
5年程度の中長期で保有できる人
ベルーナは短期間で株価が何倍にもなる成長株というより、配当や優待を受け取りながら事業の変化を見ていく銘柄です。
株価の上下に一喜一憂せず、ホテル事業の成長を長い目で確認できる人に向いています。
ホテル事業の成長に期待している人
2018年頃と比べると、ベルーナはかなり事業構造が変わっています。
通販だけでなく、ホテル・プロパティ事業が利益の柱へ成長している点を評価するのであれば、中長期で見る理由はあります。
ベルーナを買わない方がいい人
反対に、次のような人には向いていません。
自己資本比率50%以上を絶対条件にしている人
ベルーナの自己資本比率は40%台です。
財務の強さを最優先する人にとっては、基準から外れます。
借入金の多い会社を避けたい人
ホテル取得を進めるため、借入金は大きくなっています。
借入金の増加を強く嫌う人には向いていません。
短期間で大きな株価上昇を期待している人
PERは低いですが、これは高成長期待が強くないことの裏返しでもあります。
短期的に大きく値上がりすることだけを狙う投資とは相性が良くありません。
優待だけを理由に500株、1,000株と買い増したい人
優待内容は保有株数に応じて増えますが、投資金額も大きくなります。
100株と比べると資金効率は低下するため、優待目的だけで大きく保有する必要性は高くありません。
PER・PBRが低いという理由だけで買おうとしている人
ベルーナのPERやPBRは確かに低い水準です。
しかし、通販事業の成長性、借入金、ホテル事業への投資負担など、安く評価される理由もあります。
低PER・低PBRという数字だけを見て購入するのは避けた方がよいでしょう。
迷ったら100株から考える
ベルーナに興味はあるものの、
「本当に長期保有できるのか分からない」
という場合は、最初から大きく買う必要はありません。
100株であれば、株主優待を受けながら実際の決算や事業の変化を見ることができます。
その後、
- ホテル事業の利益が伸びている
- 借入金が管理できている
- 配当や優待が維持されている
と確認できれば、保有を続ける判断もしやすくなります。
逆に、業績や財務が悪化すれば、100株の段階で見直すこともできます。
ベルーナは、最初から大きく投資するより、100株で付き合いながら会社の変化を確認する方が分かりやすい銘柄といえるでしょう。
まとめ|ベルーナは結局買ってもいいのか
ベルーナ(9997)を2018年まで遡って確認すると、現在のベルーナは以前のような「通販中心の会社」から大きく変わっていることが分かりました。
通販事業は以前ほど高い成長を期待しにくくなっていますが、その一方でホテル・プロパティ事業が成長し、現在では会社全体の利益を支える重要な柱になっています。
これが、ベルーナを見るうえで最も大きな変化です。
一方で、ホテル取得を積極的に進めたことで借入金も増えています。
そのため、
「PERが低い」
「PBR1倍割れ」
「株主優待がある」
という理由だけで、単純に割安株と判断するのは注意が必要です。
ベルーナについて確認しておきたいポイントを整理すると、次のようになります。
- PER・PBRでは割安感がある
- 配当利回りは3%を超えている
- 100株から年2回の株主優待がある
- ホテル事業が新しい利益の柱に成長している
- 一方で借入金は増加している
- 自己資本比率は50%を下回っている
- 短期間で大きな成長を期待する銘柄ではない
つまりベルーナは、
「安いのには理由があるが、安いから買ってはいけない銘柄でもない」
という位置付けだと考えると分かりやすいでしょう。
私の意見
私ならベルーナは、株主優待と配当を目的に100株を中長期で保有するのであれば、買ってもいい銘柄だと考えます。
現在の株価水準でも100株なら10万円前後から購入でき、配当と基本優待を合わせれば総合利回りは5%前後になります。
ホテル優待まで実際に利用できる人であれば、さらにメリットは大きくなります。
一方で、私は現時点で500株、1,000株と大きく買うことは考えません。
一番の理由は、ホテル事業の成長と同時に借入金も大きく増えているからです。
ホテル事業がこのまま利益を伸ばしていけば、現在の低いPERやPBRが見直される可能性があります。
しかし、
ホテルは増えたのに利益が増えない
という状態になれば、今度は借入金の多さが大きな負担になります。
だから私は、
まず100株を保有する
↓
配当と株主優待を受け取る
↓
四半期決算でホテル事業の利益を確認する
↓
借入金と自己資本比率も確認する
という付き合い方がベルーナには合っていると思います。
また、購入価格についても、PERやPBRが低いからといって急いで買う必要はありません。
年間配当39円で考えると、株価975円なら配当利回り4%になります。
現在の株価が年初来高値に近いことを考えると、優待を早く取得したい人なら100株を検討してもよい一方、価格にもこだわるのであれば1,000円前後まで待つという考え方もあります。
ベルーナは、
「株価が何倍にもなる成長株を狙う銘柄」
というより、
「配当と株主優待を楽しみながら、ホテル事業の成長を中長期で見ていく銘柄」
として考える方が合っていると思います。
これからベルーナを購入する方は、株価が安いという理由だけで判断せず、ホテル事業の利益、借入金、配当、株主優待の4点を定期的に確認しながら保有していくことが大切です。
※本記事はベルーナが公表しているIR資料などをもとに作成しています。業績や株主優待、配当内容は今後変更される可能性がありますので、実際に投資する際は最新の企業IRをご確認ください。
※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。












