2026年10月23日に発表された株主優待関連のIRを確認しました。

本日は船井総研ホールディングス(9757)が、株主優待制度の変更を発表。

これまで100株以上で受け取れたQUOカード優待が終了し、新たに「プレミアム優待倶楽部」が導入されます。

ただし、新制度の対象は400株以上。

しかも、これまで年2回だった優待が年1回になります。

100株だけ保有している株主にとっては、残念な変更ですね。

でも、私が今回気になったのは別のこと。

実は船井総研HD、2025年5月に株主優待を年1回から年2回へ拡充したばかりなんです。

それが約1年5カ月後には、再び年1回へ。

なぜ、これほど短期間で制度を変更したのでしょうか?

一方で、会社の自己資本比率は78.0%。業績も黒字を維持し、配当は増配を予想しています。

優待改悪だからといって、企業そのものの評価まで下げてよいのか。

今回は公式IRを過去まで遡り、優待変更の内容と経緯、最新決算、財務、配当、株価を確認。

購入してよい銘柄なのか、私なりの投資判断をまとめてみました。

① 船井総研ホールディングス(9757)|100株優待が終了、新制度を導入

何が変わった?QUOカードからポイント制度へ

船井総研ホールディングスは、中小企業・中堅企業向けの経営コンサルティングを中心に事業を展開する企業です。

経営支援やDX、M&A支援などを手がけています。

10月23日に発表した株主優待の変更内容を確認しましょう。

項目変更前変更後
優待品QUOカードプレミアム優待倶楽部のポイント
最低保有株数100株400株
優待回数年2回年1回
権利確定月6月・12月12月
新制度開始―2026年12月末

今回の変更で、QUOカードの贈呈は終了。

新たに株主優待ポイントが進呈されます。

ポイントは専用サイトで、食品や家電、体験ギフトなど5,000種類以上の商品と交換可能。

他のプレミアム優待倶楽部導入企業のポイントと合算できる、共通株主優待コインにも交換できます。

選択肢が増えるのは良いですね。

ただし、100株保有者は対象外。

400株以上保有しなければ、新制度の優待は受け取れません。

優待内容の選択肢は増えましたが、少額で優待を楽しんでいた株主には厳しい変更です。

新制度は400株で2,000ポイントから

それでは、新しい優待制度を詳しく見てみましょう。

保有株数年間進呈ポイント
100~399株対象外
400~599株2,000ポイント
600~799株3,000ポイント
800~1,499株5,000ポイント
1,500~2,499株15,000ポイント
2,500株以上30,000ポイント

※1ポイントは約1円相当。毎年12月末の株主が対象で、年1回進呈されます。

ポイントは一定の条件を満たせば翌年に繰り越せます。

ただし、同一株主番号で連続2回以上、12月末の株主名簿に記載され、400株以上を継続保有することが必要です。

最大2回分をまとめて交換できますが、貸株サービスの利用などで株主番号が変わると、ポイントが失効する可能性もあります。

長期保有する予定なら、この点も確認しておきたいところですね。

新制度は2026年12月末から適用され、案内は2027年2月中旬に発送される予定です。

2025年に優待を拡充したばかりだった!

ここで、過去のIRを確認。

すると、気になる発表が見つかりました。

2025年5月23日、船井総研HDは株主優待の基準日追加を発表していたんです。

当時の変更内容はこちら。

発表日優待制度の変更
2025年5月23日年1回から年2回へ拡充
2026年10月23日年2回から年1回へ変更、新制度を導入

2025年5月のIRでは、投資魅力の向上と株式の流動性向上を目的として、6月末の優待基準日を追加しています。

つまり、株主にとっては優待を受け取れる機会が増えたわけですね。

ところが、今回の発表では、その6月末の優待がなくなります。

約1年5カ月で方針が変更されたことになります。

もちろん、経営環境や株主構成の変化によって、制度を見直すこと自体が悪いわけではありません。

ただ、長期保有を考える私としては、ここは気になるところです。

株主優待を目的に購入した人なら、なおさらでしょう。

なぜ今回、株主優待を変更するのか?

会社が今回のIRで説明している目的は、大きく2つです。

  • 株式の投資魅力や流動性を高めること
  • 株主との対話を強化すること

新制度では、株主専用サイトを通じてIR情報を配信したり、アンケートを実施したりする予定です。

会社としては、株主との関係をより深めたいという考えですね。

ただ、ここで一つ疑問があります。

株式の流動性を高めたいのであれば、なぜ最低保有株数を100株から400株へ引き上げたのでしょうか?

100株で優待を楽しみたい個人投資家にとっては、購入のハードルが上がります。

もちろん、400株以上を保有する株主に魅力を感じてもらい、長期保有につなげたいという狙いも考えられます。

しかし、それは私の推測。

公式IRでは、100株保有者を対象外とした個別の理由まで説明されているわけではありません。

この変更によって、本当に株式の流動性が改善するのか?

今後の株主数や売買動向も確認したいところですね。

100株保有者はどうなる?必要資金を比較

2026年10月23日の終値は1,253円でした。

この株価を使って、新制度の優待取得に必要な資金を計算してみましょう。

保有株数必要資金年間優待ポイント
100株125,300円対象外
400株501,200円2,000ポイント
600株751,800円3,000ポイント
800株1,002,400円5,000ポイント
1,500株1,879,500円15,000ポイント
2,500株3,132,500円30,000ポイント

100株なら約12万5,000円で購入可能。

しかし、今後も優待を受け取りたいのであれば、400株以上が必要。

現在100株を保有している人は、追加で300株を購入しなければなりません。

10月23日の株価なら、追加資金は375,900円。

なかなか大きな金額ですね。

一方、すでに400株以上保有している株主はどうでしょうか。

以前の400株保有者が受け取れたQUOカードは、年間1,000円分でした。

新制度では年間2,000ポイント。

ポイントの額面だけを見ると増額です。

つまり、今回の制度変更は、すべての株主にとって改悪というわけではありません。

100~399株の株主は優待を失う一方、400株以上では優待額が増えるケースがある。

ここは分けて考える必要がありますね。

配当利回りと総合利回りを比較

船井総研HDの2026年12月期の年間配当予想は48円です。

株価1,253円で計算すると、配当利回りは約3.83%。

私の目安としている3%を上回る水準ですね。

さらに、新制度のポイントを加えるとどうなるでしょうか。

保有株数配当利回り優待額面比率合計
100株3.83%0%3.83%
400株3.83%0.40%4.23%
600株3.83%0.40%4.23%
800株3.83%0.50%4.33%
1,500株3.83%0.80%4.63%
2,500株3.83%0.96%4.79%

※株価1,253円、年間配当48円、優待ポイントを額面どおりに評価した試算です。税金・手数料は考慮していません。

400株なら、額面上の総合利回りは約4.23%。

私の目安である4%を超えています。

これは悪くない数字ですね。

ただし、気になるのは必要資金です。

400株の購入には約50万円。

優待ポイントは年間2,000円相当ですから、投資額に対する優待部分の比率は約0.40%にとどまります。

つまり、今回の制度変更後は、株主優待そのものよりも配当を目的とした投資として考えた方がよさそうです。

また、ポイントは現金ではありません。

商品交換時の使いやすさによって実際の価値は変わりますので、額面だけで判断しないようにしたいですね。

最新決算は営業利益1.1%増、純利益は94.9%増!

続いて、業績を確認しましょう。

2026年8月7日に発表された、2026年12月期第2四半期累計決算です。

項目実績前年同期比
売上高168億25百万円+4.9%
営業利益47億36百万円+1.1%
経常利益49億2百万円+4.6%
中間純利益32億18百万円+94.9%
営業利益率約28.1%前年約29.2%

※中間純利益は親会社株主に帰属する利益です。

売上高は4.9%増、営業利益は1.1%増。

大きな伸びではありませんが、黒字を維持しています。

注目したいのは営業利益率。

約28%という高い水準を維持しています。

これは評価できますね。

一方、前年の29.2%からは低下しています。

売上が増えているのに、営業利益の伸びが小さい。

ここは少し気になるところです。

そして、もう一つ。

中間純利益は94.9%増と、大幅な増益になっています。

この数字だけを見ると、業績が急成長しているように感じませんか?

でも、決算資料を調べると事情が違いました。

純利益94.9%増には、前年の特別損失が影響

2025年の第1四半期、船井総研HDは五反田オフィスの売却に伴い、約21億56百万円の減損損失を計上しています。

これが前年中間期の純利益を大きく押し下げていました。

一方、2026年の中間期には、同規模の減損損失は計上されていません。

つまり、今回の純利益94.9%増は、前年の特別損失の反動が大きく影響しているわけです。

ここは重要ですね。

本業の利益が94.9%増えたわけではありません。

実際の営業利益は1.1%増。

もちろん、業績が悪いという話ではありませんが、純利益の増加率だけで企業の成長性を評価するのは避けたいところです。

私は今後も、まず営業利益がどれだけ伸びているかを重視したいと思います。

売上の中身を見ると、主力事業には成長がある

では、営業利益の伸びが小さいからといって、成長性がないのでしょうか?

そうとも言い切れません。

決算短信には、事業別の売上高が掲載されています。

主な事業前年同期比
月次支援コンサルティング+9.9%
経営研究会会費+8.2%
M&A関連+128.4%
プロジェクト型コンサルティング▲4.2%
物流BPO▲31.0%

主力の月次支援コンサルティングは9.9%増。

経営研究会会費も8.2%増と、着実に伸びています。

これは良い数字ですね。

一方、物流BPOは31.0%減。

ただし、会社はこの事業について、方針に基づいて売上を縮小していると説明しています。

単なる需要減少とは分けて考える必要がありそうです。

会社全体では、大阪本社移転に伴う費用や人材への投資、M&A関連の投資なども進めています。

これらの費用負担がある中で、営業利益を前年並み以上に維持できていることは評価したいところです。

自己資本比率78.0%!財務はかなり健全

ここまで業績を確認しましたが、私が今回最も評価したのは財務です。

最新の貸借対照表を見てみましょう。

項目2026年6月末
総資産約339億80百万円
純資産約272億58百万円
自己資本比率78.0%
現金及び預金約136億74百万円
借入金合計約2億80百万円
営業キャッシュフロー+28億53百万円
投資キャッシュフロー▲15億56百万円

※借入金合計は短期借入金、1年以内返済予定の長期借入金、長期借入金の合計です。

自己資本比率は78.0%。

私の目安としている50%を大きく上回っています。

しかも、前期末の72.4%から改善。

これは安心材料ですね。

現金及び預金が約136億円ある一方、借入金は約2億80百万円。

単純に差し引くと、約133億94百万円のネットキャッシュです。

もちろん、現金のすべてを自由に株主還元へ回せるわけではありません。

しかし、借入金への依存度が低く、財務基盤が強いことは間違いないでしょう。

一方、営業キャッシュフローは前年同期の約37億18百万円から、約28億53百万円へ減少しています。

投資キャッシュフローもマイナス。

今後の成長投資が、どの程度利益につながるのか。

ここは引き続き確認したいですね。

年間配当48円、実は増配予想

次に配当です。

2026年12月期の年間配当予想は48円。

ところが、前期の年間配当は85円でした。

数字だけを見ると、大幅な減配に見えませんか?

でも、これは違います。

船井総研HDは2026年1月1日付で、1株を2株にする株式分割を実施しています。

そのため、前期配当を現在の株数に合わせて比較する必要があります。

項目1株当たり配当
2025年12月期(分割前)85円
2025年12月期(分割後換算)42.50円
2026年12月期予想48円

分割を考慮すると、実際には5.50円の増配予想。

増配率は約12.9%です。

これは評価できますね!

さらに、会社は総還元性向65%以上を目標としています。

総還元性向とは、配当金と自社株買いなどを合わせた株主還元額が、当期純利益に占める割合のこと。

株主還元を重視する姿勢は感じられます。

ただし、業績が計画どおり進まなければ、将来の還元方針も見直される可能性があります。

優待制度が短期間で変更されたことも踏まえ、配当についても継続的に確認したいところですね。

株価1,253円は割安なのか?

最後に、株価指標を見てみましょう。

2026年10月23日の終値は1,253円。

会社予想EPS72.07円を使って計算します。

項目数値
株価1,253円
予想PER約17.4倍
PBR約4.3倍
予想配当利回り約3.83%
自己資本比率78.0%

PERは約17.4倍、PBRは約4.3倍。

どうでしょう?

私は、現在の株価に強い割安感はないと考えています。

ただし、船井総研HDは営業利益率が高く、自己資本比率も78.0%。

こうした収益性や財務の良さを考えると、PBRが高いことだけで割高と決めつけるのも違うでしょう。

重要なのは、今後も利益を伸ばしていけるかどうか。

会社は中期経営計画で、2028年に売上高460億円、営業利益115億円を目指しています。

達成できれば、現在の株価評価を考え直す必要もあるかもしれません。

ただし、2026年中間期の営業利益成長率は1.1%。

この数字から考えると、私はもう少し業績の伸びを確認してからでも遅くないと思います。

私の判断|優待改悪でも企業は評価、ただし購入は見送り

今回の船井総研HDについて、私は少し複雑な評価になりました。

まず、優待制度の変更は残念ですね。

2025年に年2回へ拡充したばかりなのに、今回は年1回へ変更。

しかも、100株保有者は優待の対象外となります。

長期保有を考える株主にとって、優待制度の継続性は気になるところです。

一方、企業の業績と財務はどうでしょうか。

営業利益率は約28%、自己資本比率は78.0%。

借入金も少なく、財務内容はかなり良好です。

年間配当48円も、株式分割を考慮すれば増配予想。

この点は素直に評価したいと思います。

それでも、私は現在の株価1,253円では新規購入を見送ります。

理由は、優待改悪ではありません。

企業としては魅力がありますが、現時点で十分な割安感がないからです。

今後、株価が下落する場面や、営業利益の成長が再び加速する場面があれば、改めて購入を検討したいですね。

私なら、優待変更だけを理由に売買するのではなく、次の決算で成長性をもう一度確認します。

優待制度の変更はマイナス。でも、企業としての評価は高い。現在の株価では購入見送り。

これが今回の私の判断です!

② まとめ|2026年10月23日の株主優待IR一覧

本日確認できた株主優待関連の発表と、私の投資判断をまとめます。

企業株主優待の変更私の判断
船井総研HD(9757)QUOカード廃止、新制度導入。最低400株、年1回へ変更新規購入見送り・業績監視

私の意見|優待改悪と企業の価値は分けて考えたい

今回の船井総研HDの優待変更、100株保有者にとっては残念な発表でしたね。

特に気になったのが、2025年に年2回へ拡充したばかりだったこと。

わずか約1年5カ月で、再び年1回へ変更されたわけです。

こうした制度変更が続くと、優待を目的に長期保有することには慎重になってしまいます。

でも、ここで考えたいことがあります。

株主優待が改悪されたからといって、その企業が投資対象として悪い企業になったのでしょうか?

私は、必ずしもそうではないと思います。

船井総研HDの自己資本比率は78.0%。

営業利益率も約28%と高く、配当は増配予想。

財務が悪くなって優待を維持できなくなった企業とは、事情が違います。

一方、今回の制度変更によって、100株保有者は優待を失います。

そのため、優待を含めた総合利回りを重視していた投資家にとっては、投資条件が変わってしまいました。

私は、株主優待の変更だけで判断するのではなく、業績・財務・配当・株価を確認して、購入する価値があるかを考えたいと思います。

今回の船井総研HDは、企業としての魅力を感じる一方、現在の株価では積極的に購入したいほどの割安感はありませんでした。

今後、営業利益の成長が加速するのか。

そして、変更後の優待制度が安定して継続されるのか。

この2点を確認しながら、引き続き注目していきたいですね。


※本記事は2026年10月23日に公表された株主優待関連IRと、各社の過去の適時開示、直近の決算短信、決算説明資料をもとに作成した筆者の個人的見解です。

※株価は2026年10月23日の東証終値を使用しています。配当・利回りの計算は税金、売買手数料を考慮していません。また、株主優待ポイントは現金と同じ利用価値を保証するものではありません。

※本記事は特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

参考資料

船井総研ホールディングス(9757)

ABOUT ME
マッスルトレーダーベイマックス
プライム企業で34年勤務(設備系管理職) 筋トレをこよなく愛するサラリーマン 2010年から株式投資を開始し、配当と株主優待を中心に多数保有 年間1000万円の配当収入を目標に、仕事と投資の両立を実践中 元現場管理のリアルな視点で、投資にも「地に足の着いた考え方」を持ち込みたいと考えています 。 保有資格 FP3級