株価上昇が期待できるひとつに【自社株買い】
これは
・株価の価値が変わる(改善される)
・企業から発信されるあるサイン
等々
株主還元する方法といえば
株主優待を実施
配当を増配
そして今回紹介する自社株買い
そんな気になる自社株買いを徹底的に調べてみました!
Contents
自社株買いとは
文字通り、自社が発行して市場に流通した株式に対して、自社の資金を使って買い戻すことをいいます。
イメージとしては、オリックス(8591)がオリックスの株式を自分で買い戻すって感じですね。
こうすることにより、
市場に出回る株式数が減るため、一株当たりの価値が向上
※一部では「総発行数が減る」と記載されているものも見受けられますが、自社株買いしたものはそのまま保有するため、総発行数は減りません。
人間って市場にたくさん出回っているものはあまり欲しがりませんが、
少ししかない、または期間限定販売などプレミアム感があるものって欲しくなるでしょう?
これも一つの狙い
そんな価値向上の理由を含めたメリットを見ていきましょう。
1.1株あたりの利益(EPS)が向上
一株あたりの利益算出方法は、当期純利益を発行済株数で割るとなっています。
しかし、自社で保有しているものは除くというところがミソ。
つまり、市場に流通されている株数で算出される
割り算で言うと分子を減らすこと
以上により、1株あたりの利益が向上するのが分かりましたね!
これだけではピンとこないため、例を取ってみてみましょう
例)発行済株式数 1万株 純利益100万円
一株あたりの純利益を求めると
100万円÷1万株=100円
そこで1千株を自社株買いすると
100万円÷(1万株ー1千株)=111.1円
自社が10%買い戻すことで一株当たりの純利益は11.1%増やすことができましたね!
2.株主への配当が実施しやすくなる(配当金支払い負担を減らす)
買い取った自社株への配当は実施されません。
従って配当金の支払い総額を減らすことが出来るため、双方にメリットがでてきます。
・企業は支払い負担が軽くなる
・株主は減配のリスクが少なくなる
3.敵対的買収(TOB)の防衛になる
株を買い戻すことにより流通している株が減るため、浮動株が必然的に減ります。
そして特定株比率が高くなる。
こんな状態では買収に費用が多く必要となるのが想像できますよね?
従って敵対的買収が仕掛けにくくなります。(絶対ではありませんが)
4.現在の株価は割安と企業は判断
株は安い時に買って高い時に売るのはみなさんもご存知の通り
割安株の判断は私の過去記事でも紹介していますが
「安い時」を企業が投資家へアピールする時がこれにあたります。
ただ2年毎に実施するなど、定期的に行われる企業もあるため一概に割安とは言えないものも中にはあるので注意したい。
以上でメリットが多い自社株買いですが、1つ気を付けなければいけないこともあります。
それは自社株買いしたその後ですよ!
自社株買いしたその後は消却か処分の2択
自社株買いした株は当然保有しています
これをいわゆる「金庫株」と言われていますが、その金庫に眠ったものをそのまま放置するわけにはいきません。
そこでどちらか2つの方法で処理することになります。
消却
これは文字通り金庫株を消却、つまり自己株式を消してしまいます。
従って株価への影響はありません
処分
金庫に眠っていた株式を改めて市場に売り出して現金へと戻します。
実はこれがやっかいなんですねぇ~
それは発行株数の流通がまた増えることにより、一株当たりの価値(ROEやEPS)が下がるため、株価下落の要因となってしまうのはこれまでを見ればわかりますよね。
※ただし企業にとっては安く買い付けて高値で売り抜けるため、プラス要因となります
参考までに自社株買いは個人投資家のように買いたいときに買うことはできません。
ルールにのっとって買われています。
※これは相場操縦行為に該当する可能性があるため
直接私たちのような個人投資家にはあまり関係ありませんが、どのように買われているのかは知っていて欲しい。
自社株買いのルール
・1日に2以上の証券会社を通じて買付が行われないこと
・株式市場終了直前の30分間は買付不可(終値への影響をなくすため)
・寄り付き前に買付注文を出す場合には、前日終値以下の指値注文しかできない
・寄付き後の買付注文では、その日の高値を超える株価での指値注文はできない。また直近の売買価格を上回る価格での反復継続の指値注文ができない
・1日に買付する直近の4週間における1日あたりの平均取引数量の25%までしか買付けることができない
まとめ
自社株買いとは、自社の資金を使って自社の発行した株式を買い戻すことを言う
メリットは4つ
・1株あたりの利益(EPS)が向上
・株主への配当が実施しやすくなる
・敵対的買収(TOB)の防衛になる
・現在株価は割安と投資家へアピール
しかし自社株買いしたあとの処理には「消却」と「処分」の2つあり
ほとんどは消却となるが
処分の場合、株価下落の恐れがあることは頭の片隅に入れていて欲しい