株主優待銘柄の分析

三栄建築設計(3228)はなぜ株主優待を廃止したのか?

三栄建築設計(3228)は毎年2月、100株以上の保有者に対してお米券をもらえたのですが、2020年7月21日に株主優待廃止の発表。

残念なお知らせにより株価は下落

損失を出してしまった個人投資家も多いことでしょう。

 

こんな銘柄を出さないため、この銘柄が残念なお知らせを発表した要因を私なりに調べてみましたのでよかったら最後まで読んでください。

 

 

Contents

業績

会社四季報により2015年度分から確認すると

 

 

売上高、経常利益はしっかりと右肩上がりで好調

2015年度と比較すると2倍超!

そして増配しているところを見るといい感じなのですが・・・

キャッシュフローを確認すると

 

 

本業を示す営業キャッシュフローから儲けを確認すると、大きく儲けた?と言えるのは2017年度だけか?

変わって2018、2019年度はマイナスへと転落

そして「営業キャッシュフロー」から「投資キャッシュフロー」を引いた「フリーキャッシュフロー」が大きくマイナスとなっている点は要注意ですね!

 

 

財務

続いて財務を確認

 

 

自己資本比率が31.7%につきあまりいいとは言えないのですが、もっと注目したいのは推移

年度 自己資本比率 利益剰余金 有利子負債
2016 39.7% 23,039 26,711
2018 45.0% 30,192 23,983
2020 31.7% 40,169 76,042

 

2018年度の自己資本比率45%まであったのが30%まで下落

有利子負債が約3倍へと膨らんでしまったいたんですね!

 

株主優待のコスト

最新の会社四季報から株主数を確認すると8232人

このすべての人が100株権利で株主優待を取得したと仮定

 

株主優待内容 お米券1kg 500円

上記優待が2kg(2枚)もらえます。

 

500円×2kg×8232人=823万円

その他経費を考慮すると1000万円と推定されます。

 

 

まとめ

 

1.業績は売上高などしっかり右肩上がりにつき順調と思えたが、本業の儲けを示す営業キャッシュフローがマイナスであり、フリーキャッシュフローがマイナスとなっているところはNG

 

2.財務は自己資本比率が2018年比で下落、そして有利子負債が2016年比で3倍へと悪化しているためNG

 

このような状態で株主優待として1000万円の経費をかけるでしょうか?

私が経営者であれば、ここにメスを入れるでしょうね。

 

救いは2020年7月13日の第三四半期決算発表において、配当の減配を発表しなかったこと。

配当性向が20%に満たないからここまで実施しなかったかも?

 

今回は業績・財務共に悪化していたことが要因でした。

今後も同じように残念な株主優待廃止のお知らせが発表された時、私なりに調べてみたいと思います。

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