株は怖い?現物取引なら借金にはならない|初心者が知っておきたい株式投資のリスクと始め方

「株を始めてみたいけれど、損をするのが怖い」
「もし大きく下がって、借金まで背負ったらどうしよう……」
株式投資に興味はあっても、最初はこうした不安を感じる人が多いと思います。
ただ、株式投資にはいくつかの取引方法があり、すべてが同じように危険なわけではありません。
初心者がまず知っておきたいのが、「現物取引」と「信用取引」の違いです。
自分の持っているお金の範囲で株を買う現物取引であれば、株価が下がって損をすることはあっても、基本的には投資した金額を超えて損失が膨らむ仕組みではありません。
つまり、
「株を買ったら、いきなり借金を背負う」
というものではないのです。
もちろん、株式投資に元本保証はありません。
しかし、取引方法を理解し、無理のない金額で始めるだけでも、リスクの大きさはかなり変わります。
今回は、
なぜ現物取引なら借金につながりにくいのか。
どんなときに大きな損失が発生するのか。
初心者はどのように始めればいいのか。
この3つを中心に、株式投資が初めての人にも分かるように整理していきます。
「株は怖いからやめておこう」と決める前に、まずはどこまでが本当のリスクなのかを知るところから始めてみましょう。
① 株は怖い?初心者が不安になる理由を整理
「株は怖い」
そう感じる理由は、人によって少しずつ違います。
ただ、初心者の人が不安に感じる内容を整理すると、主に次の3つに分けられます。
株価が下がって大損するのが怖い
一番多いのは、
「買った株が大きく下がったらどうしよう」
という不安ではないでしょうか。
例えば10万円で買った株が8万円になれば、含み損は2万円です。
さらに株価が半分になれば、5万円の損失になります。
もちろん、株式投資には元本保証がありません。
そのため、
買った金額より株価が下がる可能性は常にあります。
ただし、現物取引であれば基本的に、
10万円で買った株で失う可能性があるのは、その10万円まで
です。
株価が0円になれば投資したお金をすべて失う可能性はありますが、それだけでさらに100万円、200万円の借金が発生する仕組みではありません。
会社が倒産したら借金まで背負うのが怖い
「会社が倒産したら、株主も会社の借金を払わなければならないのでは?」
と不安に感じる人もいるかもしれません。
しかし通常、株主には有限責任という考え方があります。
簡単にいうと、
株主が負うリスクは、自分が出資した金額まで
ということです。
例えば10万円分の株を保有している会社が倒産し、その株の価値が0円になったとしても、
会社が抱えていた借金まで株主個人が支払う必要は基本的にありません。
この点を知るだけでも、
「株=会社が倒産したら自分も借金」
というイメージはかなり変わると思います。
「株で借金した」という話が怖い
それでも、
「株で何百万円も借金した」
「追証が払えなくなった」
という話を聞くことがあります。
ここで重要なのが、
現物取引と信用取引は別物
ということです。
| 取引方法 | 特徴 | 損失の考え方 |
|---|---|---|
| 現物取引 | 自分のお金で株を買う | 基本的に投資した金額の範囲 |
| 信用取引 | 証券会社から資金や株を借りて取引 | 投資元本を超える損失が発生する場合がある |
初心者が「株は怖い」と感じる原因の多くは、実はこの2つが一緒に語られていることにあります。
現物取引しかしていない人と、信用取引で大きな金額を動かしている人では、リスクの大きさがまったく違います。
「株は怖い」の中身を分けて考える
ここまでを整理すると、
| 「株が怖い」と感じる理由 | 実際には |
|---|---|
| 株価が下がるのが怖い | 現物でも損失はある |
| 会社が倒産するのが怖い | 株の価値が0円になる可能性はある |
| 借金になるのが怖い | 現物取引なら基本的に投資額の範囲 |
| 大損した人の話が怖い | 信用取引などが含まれている場合がある |
つまり、
株式投資にはリスクがある。
しかし、すべての株取引が同じくらい怖いわけではない。
ということです。
私は、株式投資を始めたばかりの人が無理に信用取引をする必要はないと考えています。
まずは、
自分のお金の範囲で現物株を買う
さらに言葉をたすと「余裕資金で行う」
そこから始めれば、少なくとも「いきなり借金を背負うのではないか」という不安はかなり小さくできます。
では、現物取引なら具体的にどこまで損をする可能性があるのでしょうか。
次は、現物取引で起こり得る損失を具体例で確認していきます。
② 現物取引なら最大損失はいくら?具体例で確認
「現物取引なら借金になりにくいのは分かった。でも、実際どこまで損するの?」
ここは株初心者にとって、とても気になるところだと思います。
結論からいうと、現物取引では、株価変動による損失は基本的に自分が投資した金額の範囲内です。
例えば、投資金額と株価下落による損失をまとめると次のようになります。
投資金額と最大損失を一覧で確認
| 投資金額 | 10%下落 | 50%下落 | 株価が0円になった場合 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | ▲1万円 | ▲5万円 | ▲10万円 |
| 30万円 | ▲3万円 | ▲15万円 | ▲30万円 |
| 50万円 | ▲5万円 | ▲25万円 | ▲50万円 |
| 100万円 | ▲10万円 | ▲50万円 | ▲100万円 |
※売買手数料などの費用は別途かかる場合があります。
例えば10万円で買った株が半値になれば、損失は5万円です。
最悪の場合、その会社が倒産するなどして株の価値が0円になれば、投資した10万円を失う可能性があります。
しかし、
10万円で買った現物株が下落したからといって、株価変動だけで20万円、30万円の借金になるわけではありません。
ここが信用取引との大きな違いです。
一方で、
「現物取引なら安心だから、いくら投資してもいい」
という意味でもありません。
100万円を投資すれば、最悪の場合100万円を失う可能性があります。
だからこそ大切なのが、①で触れた余裕資金です。
「余裕資金」とはどんなお金?
余裕資金とは簡単にいうと、
近い将来使う予定がなく、仮に減っても生活に支障が出ないお金
です。
例えば、
- 毎月の生活費
- 家賃や住宅ローン
- 子どもの教育費
- 数年以内に使う予定のお金
- 病気や失業などに備える生活防衛資金
こうしたお金まで株式投資に回してしまうと、株価が下がったときに生活そのものへ影響してしまいます。
逆に、
「当面使わないお金の中から10万円だけ投資してみる」
のであれば、株価が下がったとしても慌てて売る必要性は小さくなります。
初心者は「いくら儲かるか」より「いくらなら失っても困らないか」
株を始めると、
「10万円が20万円になったらいいな」
「できるだけ早く利益を出したい」
と考えたくなります。
しかし初心者のうちは、先に考えたいのは利益ではありません。
「いくらまでなら投資しても生活に困らないか」
です。
例えば余裕資金が100万円あったとしても、最初から100万円すべてを投資する必要はありません。
まず10万円、20万円程度から始めて、
株価が上がったとき、下がったときに自分がどのように感じるか
を経験してみるのも一つの方法です。
実際に株を持つと、
「5%下がっただけでも思ったより気になる」
「10%下がっても意外と気にならなかった」
など、自分がどれくらいの値動きに耐えられるのかが分かってきます。
現物取引でも損失は避けられない
ここまで「現物取引なら借金になりにくい」と説明してきましたが、
現物取引=損をしない
という意味ではありません。
株式投資では、
株価下落
業績悪化
減配
株主優待の廃止
最悪の場合は倒産
といったリスクがあります。
大切なのは、リスクをゼロにすることではなく、
自分でコントロールできる範囲まで小さくすること
です。
そのために初心者が最初にできることは、
現物取引にする
+余裕資金で行う
+最初から大きな金額を投資しない
この3つです。
これだけでも、「株は怖い」と感じる原因の一つである借金への不安はかなり小さくできます。
では反対に、ニュースなどで聞く、
「株で借金した」
「追証が発生した」
というのは、どのような取引なのでしょうか。
次は、初心者が知っておきたい現物取引と信用取引の違いをもう少し詳しく見ていきます。
③ なぜ株で借金する人がいる?現物取引と信用取引の違い
ここまで、
現物取引であれば、株価変動による損失は基本的に投資した金額の範囲内
と説明してきました。
それでも世の中では、
「株で借金を抱えた」
「追証が払えなくなった」
といった話を聞くことがあります。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
大きな理由の一つが、信用取引です。
現物取引と信用取引は仕組みが違う
まず違いを整理します。
| 項目 | 現物取引 | 信用取引 |
|---|---|---|
| 使うお金 | 基本的に自分のお金 | 証券会社から資金や株を借りる |
| 投資できる金額 | 持っている資金の範囲 | 自己資金以上の取引が可能 |
| 株価下落時 | 保有株の価値が下がる | 損失が大きくなりやすい |
| 追加資金 | 通常は不要 | 追証が発生する場合がある |
| 投資額を超える損失 | 株価変動だけなら基本的になし | 発生する可能性がある |
| 初心者向き | 比較的分かりやすい | 仕組みとリスク管理の理解が必要 |
信用取引とは簡単にいうと、
証券会社からお金や株を借りて、自分の資金以上の金額を取引する方法
です。
利益が出れば大きくなる一方、反対方向へ動けば損失も大きくなります。
30万円で100万円分の株を買ったらどうなる?
ここは具体例で考えると分かりやすくなります。
例えば、自己資金30万円を保証金として預け、信用取引で100万円分の株を買ったとします。
※実際の必要保証金や維持率は証券会社などによって異なります。ここでは仕組みを分かりやすくするため単純化しています。
| 100万円分の株の値動き | 株の価値 | 損失額 | 自己資金30万円との比較 |
|---|---|---|---|
| 10%下落 | 90万円 | ▲10万円 | まだ20万円分残る計算 |
| 20%下落 | 80万円 | ▲20万円 | かなり保証金が減る |
| 30%下落 | 70万円 | ▲30万円 | 自己資金30万円分がほぼ失われる |
| 50%下落 | 50万円 | ▲50万円 | 自己資金を20万円上回る損失 |
ここが現物取引との大きな違いです。
自己資金は30万円しかないのに、100万円分の株を取引しているため、株価が50%下がれば損失は50万円になります。
単純計算では、
50万円の損失-自己資金30万円=20万円不足
となります。
つまり、最初に用意した30万円だけでは損失を処理できなくなります。
これが、
「株で投資した金額以上に損した」
という状況につながります。
同じ30万円でも現物ならどうなる?
同じ30万円を使って、現物株を30万円分だけ購入した場合と比較してみます。
| 取引方法 | 自己資金 | 購入額 | 株価50%下落時の損失 |
|---|---|---|---|
| 現物取引 | 30万円 | 30万円 | ▲15万円 |
| 信用取引 | 30万円 | 100万円 | ▲50万円 |
同じ30万円から始めても、動かしている金額が違うため損失額も大きく変わります。
信用取引では、
「30万円しか使っていない感覚」でも、実際には100万円分の値動きの影響を受けている
という点が重要です。
実際には50%下落する前に「追証」が発生することも
もちろん実際の信用取引では、何も起こらないまま50%下落するまで待つわけではありません。
損失が増えて保証金の割合が一定水準を下回ると、証券会社から**追証(おいしょう)**を求められる場合があります。
追証とは、
信用取引で保証金が不足したときに、追加でお金を入れることを求められる仕組み
です。
流れとしては、
株価が下落
↓
信用取引の損失が拡大
↓
保証金の割合が低下
↓
追証が発生
↓
追加資金を入れる、または建玉を決済する
となります。
期限までに対応できなければ、証券会社によって強制的に決済される場合もあります。
急落すると「売りたくても売れない」こともある
さらに怖いのが、株価が急激に下落した場合です。
例えば、
- 大幅な業績下方修正
- 不祥事
- 粉飾決算
- 上場廃止懸念
- 市場全体の急落
などが起きると、株価が一気に下がることがあります。
連日ストップ安になるなど、
売りたくても買い手が少なく、売れない
状況になることもあります。
その間に損失が拡大すれば、強制決済しても保証金だけでは足りず、追加で支払いが必要になる可能性があります。
これが、
「信用取引で借金を抱えた」
という話につながる大きな要因の一つです。
「空売り」はさらに仕組みを理解する必要がある
信用取引には、
株価が下がると利益が出る「空売り」
という方法もあります。
例えば1,000円で株を空売りして、
1,000円で売る
↓
800円まで下落
↓
800円で買い戻す
なら、差額200円が利益になります。
ところが株価が1,500円になれば500円の損失です。
現物株なら株価は0円より下にはなりませんが、株価の上昇には理論上の上限がありません。
そのため空売りも、仕組みを十分理解せずに行うと大きな損失につながる可能性があります。
初心者が信用取引を急いで使う必要はない
信用取引そのものが悪いわけではありません。
仕組みを理解し、資金管理をしながら利用している投資家もいます。
ただ、株式投資を始めたばかりの人が、
「少ない資金で大きく儲けたい」
という理由だけで信用取引を使う必要はないと私は考えています。
まずは、
現物取引
+余裕資金
+小さな金額から始める
この3つで十分です。
実際に投資を続けながら、
株価がなぜ動くのか
決算では何を見るのか
自分はどれくらいの値下がりなら耐えられるのか
を経験してからでも遅くありません。
「株は怖い」ではなく「取引方法によって怖さが違う」
今回の具体例を見ると、
株式投資そのものが借金を生み出すのではない
ことが分かります。
同じ30万円でも、
現物で30万円を投資するのか
信用で100万円を動かすのか
では、リスクが大きく違います。
「株は怖い」と感じている初心者ほど、
株式投資と信用取引を一緒に考えないこと
が大切です。
余裕資金を使い、自分のお金の範囲で現物取引をする。
まずはそこから始めるだけでも、株式投資に対する「借金になるのでは?」という不安はかなり小さくできます。
では、現物取引でも株価が下がる可能性がある以上、初心者はどうすれば大きな失敗を避けられるのでしょうか。
次は、株初心者が大きな損失を避けるために守りたい基本ルールを整理します。
④ 株初心者が大きな失敗を避ける5つの基本ルール
ここまで読んで、
「現物取引なら借金になりにくいことは分かった。でも、やっぱり株価が下がるのは怖い」
と思う人もいるでしょう。
その感覚は自然です。
株式投資では、どれだけ調べても株価が下がることはあります。
大切なのは、
損を絶対にしない方法を探すことではなく、大きな失敗をしにくい投資方法を選ぶこと
です。
初心者であれば、まず次の5つを意識するだけでもリスクはかなり変わります。
| 基本ルール | 内容 |
|---|---|
| ① 余裕資金で投資する | 生活に必要なお金は使わない |
| ② 最初は現物取引だけにする | 借りたお金で取引しない |
| ③ 少額から始める | 最初から大きな金額を投資しない |
| ④ 1銘柄に集中しすぎない | 会社固有のリスクを分散する |
| ⑤ 分からない株は買わない | 業績・財務・配当などを確認する |
① 生活資金ではなく「余裕資金」で投資する
まず一番重要なのが、
株式投資は余裕資金で行う
ということです。
例えば、
「半年後に車を買うためのお金」
「来年の学費」
「住宅ローンの支払いに使うお金」
まで株に入れてしまうと、株価が下落したときに困ります。
本来なら株価の回復を待てる場面でも、
お金が必要だから損をした状態で売らなければならない
こともあります。
そのため私は、
しばらく使う予定がなく、値下がりしても生活に支障がないお金
を投資に回すことが基本だと考えています。
② 初心者はまず現物取引だけで十分
次に、ここまで繰り返し説明してきた現物取引です。
最初から信用取引や空売りをする必要はありません。
現物取引であれば、
自分のお金の範囲で株を買う
という非常にシンプルな仕組みです。
まずは、
株を買う
↓
株価が動く
↓
決算を見る
↓
配当を受け取る
という株式投資の基本を経験する。
それだけでも十分勉強になります。
信用取引は、株式投資そのものに慣れてから考えても遅くありません。
③ 最初から大きな金額を投資しない
例えば投資に使えるお金が100万円あったとしても、
最初から100万円すべてを株にする必要はありません。
まずは10万円、20万円程度から始める方法もあります。
株を実際に保有すると、
「3%下がっただけでも気になる」
「10%下落しても意外と冷静でいられる」
など、自分の性格も分かってきます。
これは本を読むだけでは分からない部分です。
最初は、
利益を最大化することより、自分がどれくらいの値動きに耐えられるのかを知る
ことを優先した方がいいと思います。
④ 1銘柄にすべてのお金を入れない
例えば投資資金50万円を、1社だけにすべて投資したとします。
その会社で不祥事や業績悪化が起きれば、50万円すべてが大きな影響を受けます。
一方、
複数の会社へ分けて投資する
ことで、1社の値下がりによる影響を小さくできます。
例えば、
| 投資方法 | 1社が50%下落した場合 |
|---|---|
| 50万円を1社へ投資 | ▲25万円 |
| 10万円ずつ5社へ投資 | その1社分なら▲5万円 |
※他の4銘柄の株価が変わらないと仮定した単純例です。
同じ50万円を投資していても、結果は大きく変わります。
これが分散投資の基本です。
もちろん、銘柄数を増やせば絶対安全になるわけではありません。
市場全体が下落すれば、複数の株が同時に下がることもあります。
それでも、
「1社に何か起きたら資産全体が大きく減る」
というリスクは抑えられます。
⑤ 「安そう」だけで株を買わない
初心者のときにやりやすいのが、
「この株、500円だから安い」
「昔は1,000円だったから、そのうち戻るだろう」
という買い方です。
しかし、
株価が安いことと、企業価値に対して割安であることは別です。
500円の株でも業績が悪化していれば、300円、200円とさらに下がる可能性があります。
逆に3,000円の株でも、利益や財務内容から見て割安な場合があります。
そこで私は株を買う前に、
PER
PBR
配当
業績
財務
株主優待
買値
などを確認しています。
初心者のうちは全部を完璧に理解する必要はありません。
まずは、
「この会社は何で利益を出しているのか」
「赤字ではないか」
「借金が多すぎないか」
「配当は無理をして出していないか」
このくらいから確認するだけでも違います。
「怖いから何もしない」ではなく「怖さを小さくする」
株式投資にはリスクがあります。
これは避けられません。
ただし、
余裕資金
+現物取引
+少額
+分散
+企業を確認してから買う
という方法を選ぶことで、自分でリスクを小さくすることはできます。
私は初心者ほど、
「どれだけ儲けるか」より「大きく失敗しないか」
を先に考えた方がいいと思います。
株式投資は、一度の取引で大きな利益を狙わなければならないものではありません。
まずは小さく始めて、
株を持つことに慣れる
↓
決算や配当を見る
↓
少しずつ知識を増やす
という順番でも十分です。
「株は怖い」と感じている人ほど、最初から難しいことをする必要はありません。
では実際に株式投資を始める場合、いくらくらいから、どのような手順で始めればいいのでしょうか。
次は、株初心者が無理なく始めるための具体的な方法を整理します。
⑤ 株初心者はいくらから始めればいい?無理のない始め方
「現物取引なら借金になりにくいのは分かった」
「余裕資金で始めるのも分かった」
それでも次に気になるのが、
「結局、いくらくらい用意すれば株を始められるの?」
ということではないでしょうか。
株式投資というと、
「何十万円、何百万円も必要」
というイメージを持つ人もいます。
しかし現在は、数千円、数万円から始められる方法もあります。
日本株は通常100株単位で買う
日本株は多くの場合、100株を1単元として売買します。
例えば株価が1,000円なら、
1,000円 × 100株 = 10万円
が購入に必要です。
株価ごとの必要資金を整理すると次のようになります。
| 株価 | 100株買う場合の必要資金 |
|---|---|
| 300円 | 3万円 |
| 500円 | 5万円 |
| 1,000円 | 10万円 |
| 2,000円 | 20万円 |
| 3,000円 | 30万円 |
| 5,000円 | 50万円 |
※売買手数料などは別途かかる場合があります。
つまり、株価1,000円程度の銘柄であれば、10万円前後から100株保有できます。
1株から買えるサービスもある
最近では証券会社によって、
1株単位で購入できる単元未満株サービス
もあります。
例えば株価3,000円の会社なら、通常100株では30万円必要です。
しかし1株なら、
約3,000円
から投資できます。
そのため、
「いきなり10万円、20万円は怖い」
という人でも、まず1株だけ買って株式投資を経験することができます。
最初は「利益」より経験を買う
例えば3,000円で1株購入した場合、株価が10%下落しても損失は約300円です。
一方、30万円で100株購入すれば、10%下落すると約3万円の損失になります。
| 投資額 | 10%下落した場合 |
|---|---|
| 3,000円 | ▲300円 |
| 1万円 | ▲1,000円 |
| 5万円 | ▲5,000円 |
| 10万円 | ▲1万円 |
| 30万円 | ▲3万円 |
初心者のうちは、
大きく儲けることより、実際に株を持ってみる経験
の方が重要だと思います。
たとえ1株でも、自分のお金で株を買えば、
株価が気になる
決算が気になる
配当が気になる
会社のニュースが気になる
ようになります。
見るだけだった株式市場が、一気に身近になります。
私なら最初から大きな金額は入れない
例えば100万円の余裕資金があったとしても、
最初から100万円すべてを投資する必要はありません。
初心者なら、
数千円~数万円で1株投資
↓
慣れてきたら100株
↓
さらに慣れたら複数銘柄へ分散
という進め方でも十分です。
大切なのは、
自分が値下がりにどれくらい耐えられるか
を知ることです。
株価が5%下がっただけで眠れなくなる人もいれば、20%下がっても気にならない人もいます。
これは実際に投資してみないと分かりません。
初心者におすすめなのは「なくなっても生活に困らない金額」
「10万円から始めるべき」
「30万円必要」
と決まっているわけではありません。
一番大切なのは、
そのお金が減っても生活に影響がないこと
です。
例えば、
「5万円なら多少下がっても大丈夫」
と思える人なら5万円。
「まず1万円だけ試したい」
なら1万円でも構いません。
投資額よりも、
余裕資金の範囲内かどうか
の方が重要です。
株主優待目的なら100株必要な会社が多い
ここは株主優待に興味がある人には注意点です。
1株から株を買うことはできますが、株主優待については、
100株以上保有
を条件としている企業が多くあります。
例えば、
株価1,500円 × 100株 = 約15万円
必要になります。
そのため株主優待を目的にする場合は、
優待をもらうためにいくら必要なのか
を確認してから買う必要があります。
一方、配当は1株から受け取れる企業が多いため、
最初は1株で配当を受け取る経験をしてみる
という方法もあります。
「怖い」と感じるなら小さく始めればいい
「株が怖い」
と感じている人が、無理にいきなり30万円、50万円を投資する必要はありません。
まずは、
1株
数千円
数万円
からでも構いません。
小さな金額で、
買う
↓
株価が動く
↓
決算を見る
↓
配当を受け取る
という一連の流れを経験してみる。
そして、
「これなら続けられそう」
と思ってから投資額を増やせばいいのです。
株式投資は、
最初から大きく始める必要はありません。
「株は怖い」と感じている初心者ほど、
余裕資金で、小さく、現物取引から始める
これが一番安心できるスタートだと思います。
では、実際に株を買うとき、初心者はどのような銘柄を選べばいいのでしょうか。
次は、初心者が最初の1銘柄を選ぶときに確認したいポイントを整理します。
⑥ 「安くなった」ではなく「いくらなら買えるか」を考える
初心者のうちは、
「以前2,000円だった株が1,000円になったから安い」
と考えてしまいがちです。
しかし、
昔の株価より安い=割安
ではありません。
私は株を買うとき、
「今の株価が安いか」ではなく、「自分ならいくらまでなら買えるか」
を先に考えます。
そのときに使うのが、
PER・配当利回り・総合利回り
です。
PER10倍なら株価はいくら?
私は割安株を探すとき、PER10倍前後を一つの調査基準にしています。
PERは、
株価 ÷ 1株利益(EPS)
で計算できます。
逆に買値を考えるなら、
EPS × 10倍
でおおよその株価を出せます。
例えばEPSが120円なら、
120円 × PER10倍=1,200円
です。
現在株価が1,500円なら、私のPER基準ではまだ少し高い。
1,200円前後まで下がれば、改めて詳しく調べる。
このように使います。
ただし、
PER10倍以下なら必ず買う
という意味ではありません。
業績悪化でPERが低くなっている場合もあるため、
なぜ安いのか
まで確認することが必要です。
配当利回り3%になる株価を逆算する
私は配当利回り3%以上も一つの調査基準にしています。
例えば年間配当が40円なら、
40円 ÷ 3%=約1,333円
です。
つまり、
| 株価 | 配当40円の場合の利回り |
|---|---|
| 1,600円 | 2.50% |
| 1,400円 | 2.86% |
| 約1,333円 | 約3.00% |
| 1,200円 | 約3.33% |
となります。
この場合、
1,333円以下なら配当利回り3%を超えてくる
ことが分かります。
株主優待があるなら総合利回り4%も確認
株主優待がある場合は、
配当+実際に使える優待価値
で考えます。
私は総合利回り4%以上を一つの基準にしています。
例えば100株保有で、
- 年間配当40円=4,000円
- 実際に自分が使える優待=1,000円
なら、年間の実質的な還元は5,000円です。
総合利回り4%になる投資金額は、
5,000円 ÷ 4%=12万5,000円
です。
100株なら、
1株1,250円
が目安になります。
3つの基準を並べると買値が見えてくる
先ほどの例で、
- EPS:120円
- 年間配当:40円
- 100株優待:1,000円
とすると、
| 判断基準 | 買値の目安 |
|---|---|
| PER10倍 | 約1,200円 |
| 配当利回り3% | 約1,333円 |
| 総合利回り4% | 約1,250円 |
となります。
私なら、この場合、
1,200~1,250円あたりまで下がれば詳しく検討する
という考え方ができます。
現在株価が1,500円なら、
「昔2,000円だったから安い」
ではなく、
「自分の基準ではまだ買値まで下がっていない」
と判断できます。
私が買値を考えるときの順番
初心者の人にも分かりやすくすると、私は次の順番で考えます。
① 業績と財務に問題がないか確認
↓
② EPSからPER10倍前後の株価を計算
↓
③ 配当3%になる株価を計算
↓
④ 優待があれば総合利回り4%になる株価を計算
↓
⑤ その中から自分が納得できる買値を決める
↓
⑥ その価格まで待つ
ここで重要なのは、
「良い会社を見つけた=すぐ買う」ではない
ということです。
良い会社でも株価が高すぎれば、私は待ちます。
逆に株価が大きく下がっていても、業績や財務に問題があれば買いません。
初心者ほど「買う前に価格を決める」
株価を毎日見ていると、
「今日は3%下がったから買おうかな」
「昨日より100円安いから買おうかな」
と、その日の値動きだけで判断しやすくなります。
しかし私は、
買う前に「この会社なら○○円以下」と決めておく
方法をおすすめします。
そうすれば株価が急に動いても、感情だけで飛びつきにくくなります。
初心者のうちは、
何を買うかと同じくらい、いくらで買うか
を意識することが大切です。
⑦ まとめ|株は怖い?まずは余裕資金で現物取引から
「株は怖い」
そう感じている人の多くは、
株で大損するのではないか
借金を背負うのではないか
何十万円も用意しないと始められないのではないか
といった不安を持っているのではないでしょうか。
しかし今回確認してきたように、株式投資は取引方法によってリスクが大きく変わります。
まず内容を整理します。
| 確認項目 | 初心者が知っておきたいこと |
|---|---|
| 現物取引 | 基本的に自分のお金の範囲で投資する |
| 最大損失 | 株価変動による損失は基本的に投資額まで |
| 信用取引 | 自己資金以上を動かせるため、投資額を超える損失もあり得る |
| 投資資金 | 生活費ではなく余裕資金を使う |
| 投資額 | 最初から大きな金額を入れる必要はない |
| 分散投資 | 1銘柄への集中を避ける |
| 銘柄選び | 業績・財務・配当などを確認する |
| 買値 | PER・配当利回り・総合利回りなどから事前に考える |
私の意見
私は、
「株は怖くない」
と言い切るつもりはありません。
株価は下がりますし、買った会社が業績不振になることもあります。
場合によっては、保有株の価値が大きく減ることもあります。
しかし、
株=すぐ借金になる怖いもの
というイメージも違います。
初心者であれば、
余裕資金
+現物取引
+少額
+分散投資
から始めることで、自分でリスクをかなりコントロールできます。
私は特に、
「いくら儲けたいか」より「いくらなら減っても生活に困らないか」
を先に考えることが大切だと思っています。
100万円の余裕資金があるからといって、最初から100万円すべてを投資する必要はありません。
まず1万円でも5万円でもいい。
実際に株を持ってみて、
株価が下がったとき自分がどう感じるか
決算とはどんなものなのか
配当を受け取るとはどういうことなのか
を経験してから、少しずつ投資額を増やしていけばいいと思います。
「株が怖い」なら1株から始める方法もある
ここまで読んでも、
「やっぱり100株をいきなり買うのは怖い」
という人もいると思います。
そんな人は、1株から始める方法もあります。
SBI証券には「S株」という単元未満株サービスがあり、通常100株単位で売買する日本株を1株から購入できます。
例えば株価3,000円の会社なら、
通常100株では約30万円必要ですが、S株なら1株約3,000円から始められます。
「まず株を持つ経験をしてみたい」
という初心者には、こうした方法も使いやすいと思います。
私自身、株初心者の人には、
最初から大きく儲けようとするより、小さな金額で株式投資に慣れる
ことをおすすめします。
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株は「怖いからやらない」ではなく「怖さを理解して始める」
株式投資にはリスクがあります。
しかし、そのリスクを知らずに大きなお金を動かすことと、
仕組みを理解し、余裕資金で少額から始めること
はまったく違います。
「株は怖い」
と思っている人ほど、まずは大きなお金を入れるのではなく、
小さく始めて、少しずつ理解する
ところからでも十分です。
そして株を買う前には、
何を買うかだけでなく、いくらで買うか
まで考えることも大切です。
私が実際に株を買う前に確認している項目はこちらの記事で詳しくまとめています。
私が株を買う前に必ず確認する7項目|PER・PBR・配当・財務・業績・優待・買値
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※本記事は株式投資における一般的な考え方と、私自身の判断基準をまとめたものです。株式投資には元本割れの可能性があります。実際に投資する際は、商品の内容やリスクを十分に確認してください。
※本記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。















