2024年から始まった新NISAは、非課税で投資ができる大きなチャンスとして多くの個人投資家に注目されています。
しかし「非課税だから安心」と考えてしまうのは危険です。選ぶ銘柄を間違えると、せっかくの制度を活かせず、資産を大きく減らしてしまう可能性があります。
特に初心者は、「買ってはいけない株」を知らずに手を出して失敗するケースが少なくありません。
例えば高すぎる配当利回りの株、話題性だけで急騰したテーマ株、財務基盤の弱い赤字企業などは典型的な失敗例です。
本記事では、新NISAで絶対に買ってはいけない株の特徴と、失敗を避けるための投資戦略をわかりやすく解説します。
この記事を読めば、新NISAを安全に活用し、長期的な資産形成につなげるヒントが得られるように作成したのでぜひ最後まで読んでください。
① 新NISAの仕組みと特徴を理解しよう
新NISAの基本ルール(非課税枠・成長投資枠・つみたて投資枠)
新NISAは2024年からスタートした新しい少額投資非課税制度です。従来のNISAから大きく進化し、投資家にとって非常に有利な制度となっています。
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年間投資上限額:最大360万円
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非課税保有限度額:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
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非課税期間:無期限(従来の5年・20年の制限が撤廃)
枠は「つみたて投資枠(長期・分散・積立投資向け)」と「成長投資枠(個別株やETFなど幅広い商品が対象)」に分かれ、両方を組み合わせて使うことが可能です。
なぜ「失敗しない銘柄選び」が重要なのか
新NISAは「非課税で投資ができる」という大きなメリットがありますが、だからといって損失が免除されるわけではありません。
もし値下がりする株や倒産リスクのある企業に投資してしまえば、非課税のメリットどころか、資産を大きく減らすことになります。
特に初心者は、「有名だから安心」「高配当だからお得」と安易に判断してしまいがちです。しかし、新NISAは長期的に非課税で資産を増やすことを目的とした制度であるため、買ってはいけない株を避けることが成功の第一歩 となります。
② 買ってはいけない株の典型例①|高配当すぎる株
高利回り=安全ではない理由
「配当利回りが高い株はお得だ」と考える初心者は少なくありません。確かに利回りが5%、6%と表示されていれば、銀行預金や債券と比べて魅力的に見えます。
しかし、利回りが異常に高い株には注意が必要です。株価の下落によって見かけ上の利回りが高くなっているだけの場合が多く、将来的に減配や無配に転じるリスクが潜んでいます。
減配・無配リスクの事例
例えば業績が悪化している企業が「前年までの配当水準を維持できず、急に減配を発表する」といったケースは少なくありません。
また、景気の波に左右されやすい企業や赤字企業では、突然配当を打ち切る(無配にする)こともあります。
「高配当=安心」ではなく、「高配当=危険信号の可能性がある」と考える視点が大切です。
自己資本比率や利益推移を必ず確認
高配当株を選ぶ際には、必ず財務基盤を確認しましょう。
特に 自己資本比率が50%以上 であれば財務的に健全とされ、長期的な配当維持の可能性も高まります。逆に自己資本比率が低い企業は、借金に依存しており、業績悪化時にすぐ配当を削減するリスクが高いといえます。
さらに、過去数年の利益推移やキャッシュフローの状況も併せて確認することで、配当が「無理のない範囲で支払われているか」を判断できます。
👉 高配当株を正しく見分ける具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://nice-kabutraed.com/kouhaitounomiwakekata/
③ 買ってはいけない株の典型例②|テーマ株・仕手株
短期で急騰する株に初心者が飛びつきやすい理由
「AI関連」「脱炭素」「半導体」といったテーマ株は、メディアやSNSで話題になると株価が一気に上昇することがあります。
初心者は「まだまだ上がるはず」と感じ、慌てて飛び乗ってしまうケースが少なくありません。
しかし、このようなテーマ株は短期的な資金流入で上がっているだけの場合が多く、ブームが去れば急落するリスクが高いのです。
「話題性」だけで投資すると大損するパターン
仕手株と呼ばれる銘柄は、特定の投資家グループが大量に売買して株価を吊り上げていることがあります。
短期間で株価が2倍、3倍になることもありますが、その後は一気に資金が引き上げられ、初心者が高値掴みをして大損するパターンが後を絶ちません。
つまり、「話題性だけで買う」という行動は、新NISAの長期投資の趣旨とも真逆であり、非常に危険なのです。
長期投資に不向きな株の見分け方
テーマ株や仕手株は「短期の値動き」には向いていても、「非課税で長期保有する」という新NISAの目的には合致しません。
長期投資で安心して保有するためには、業績や財務内容が安定しており、配当や株主還元の実績がしっかりしている企業を選ぶ必要があります。
💡 私個人の意見
テーマ株や仕手株は「株で一発当てたい」と思う投資家ほど惹かれやすいですが、長期的に見れば市場から退場の原因になりやすいです。
私自身の経験からも、「話題株に飛びつかない」だけで資産の安定度が大きく変わる と感じています。
④ 買ってはいけない株の典型例③|赤字・財務不安定な株
自己資本比率が低い企業は危険
企業の財務健全性を測る代表的な指標のひとつが「自己資本比率」です。
一般的に 50%以上が健全 とされ、20%を切ると注意、10%を下回ると危険水域といわれます。(ただし業種によって異なる。銀行などは10%以下)
自己資本比率が低い企業は、借入金に頼って経営している場合が多く、業績が悪化するとすぐに資金繰りが悪化して株価や配当にも影響が出ます。
赤字続きの企業が配当や優待を維持できない理由
一時的に赤字になっただけならまだ回復の可能性はありますが、赤字が慢性化している企業は要注意です。
利益が出ていない状態で無理に配当や株主優待を維持していると、結局は減配・廃止に追い込まれるケースが多々あります。
「配当や優待があるから大丈夫」と安易に判断するのは危険であり、業績と財務の安定性を必ず確認すべきです。
財務健全性をチェックするシンプルな方法
初心者でも簡単にできる財務チェックの方法は次の通りです。
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自己資本比率が50%以上あるか
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営業利益が黒字を継続しているか
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フリーキャッシュフローが安定しているか
これらの基本指標を見るだけでも、財務が安定している企業と不安定な企業を大まかに見分けることができます。
💡 私個人の意見
私自身の経験でも「配当利回りが高いのに自己資本比率が低い企業」に投資して失敗したことがあります。
数字を軽視すると痛い目に遭うので、最低限「自己資本比率50%以上」という基準などマイルールを作って守ることは、初心者にとって強力な防御策になると思います。
⑤ 初心者がやりがちな失敗パターン
SNSや掲示板の情報を鵜呑みにする
投資初心者が最もやりがちな失敗は、SNSや掲示板で見かけた情報をそのまま信じて投資してしまうことです。
「この株は絶対上がる!」「仕手筋が買っているらしい」といった根拠の薄い情報に振り回されると、高値掴みや急落に巻き込まれやすくなります。
情報はあくまで参考程度にとどめ、最終的な判断は必ず自分のルールや分析に基づくことが重要です。
一発逆転を狙って集中投資する
負けが続くと「ここで取り返さなければ」という焦りから、資金を一つの銘柄に集中させるケースがあります。
しかし、このような「一発逆転狙い」は大きなリスクを伴い、失敗すれば退場に直結します。
新NISAは長期的に資産形成を目指す制度である以上、資金を複数銘柄に分散することが欠かせません。
分散せずに1銘柄に資金を入れてしまう
「有名企業だから安心」と思い、1銘柄に資金を大きく投じてしまうのも初心者の典型的な失敗です。
株価は企業業績だけでなく、市場全体の地合いや外部要因にも影響されます。
たとえ優良企業でも、短期的に株価が下落すれば大きな含み損を抱えてしまう可能性があります。
複数の銘柄やETFに分散することで、リスクを大きく下げることができます。
💡 私個人の意見
私自身も投資を始めた頃、SNSの情報を信じて高値掴みした経験があります。
また「ここで取り返そう」と集中投資して資金を減らしたこともありました。
そうした失敗を振り返ると、「分散すること」と「自分のルールを守ること」こそが退場を防ぐ最も大切なポイント だと実感しています。
⑥ 新NISAで失敗しないための安全な投資戦略
分散投資の基本|セクター・銘柄数の目安
新NISAを活用する際に大切なのは、1つの銘柄に資金を集中させないことです。
たとえば銀行株だけ、通信株だけといった偏りを避け、複数の業種(セクター)に分散させることでリスクを軽減できます。
初心者の場合は、最低でも5〜10銘柄に分散して投資するのが安心です。
ETF・インデックスを活用するメリット
個別株選びに自信がない場合は、ETF(上場投資信託)やインデックスファンドを利用するのも賢い方法です。
例えば「TOPIX連動型ETF」や「S&P500連動型ETF」であれば、数百社に自動的に分散投資できるため、1社の業績悪化に資産が左右されにくくなります。
長期的な資産形成を目的とする新NISAにおいては、インデックス投資は最も堅実な戦略のひとつといえるでしょう。
長期保有で「退場しない」投資を続ける
新NISAの大きな特徴は「非課税期間が無期限」であることです。
これは裏を返せば、「焦って売買を繰り返さず、長期保有を前提に投資する」ことが成功の条件になります。
相場が一時的に下落しても、安易に損切りや乗り換えをせず、長期の視点で保有することで結果的に資産は成長していきます。
💡 私個人の意見
私も昔は短期売買を繰り返してよく失敗していましたが、ETFやインデックスを使いながら長期保有する戦略にも取り入れたことで、売買収支が安定してきました。
新NISAに限らず株式投資は「退場せずに続ける」ことが何より重要です。個別株に挑戦するのはもちろん良いですが、投資の土台は分散と長期保有に置くのが正解だと考えています。
⑦ まとめ|新NISAは「銘柄選び」が最大の分かれ道
新NISAは、投資家にとって長期的に資産形成を進めるための強力な制度です。
しかし「非課税だから安心」と思い込んで銘柄を選ぶと、減配や急落、最悪の場合は退場に直結してしまいます。
本記事で紹介したように、
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高配当すぎる株
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テーマ株や仕手株
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赤字・財務不安定な株
は特に注意が必要です。
また、初心者がやりがちな「SNS情報の鵜呑み」「一発逆転の集中投資」なども失敗の原因になりやすいので避けるべきです。
一方で、分散投資・ETFやインデックスの活用・長期保有 といった基本を徹底すれば、新NISAは大きな味方となります。
💡 私個人の意見
私自身も含め、個人投資家のほとんどが一回は「高配当だから大丈夫」「話題株に乗れば儲かる」という安易な考えで失敗した経験があるんじゃないでしょうか。
しかし、基本に立ち返って財務健全性を重視し、分散と長期保有を徹底したことで、私の資産は安定的に確実に増えていきました。
新NISAのみならず株式投資での成功は派手な銘柄選びではなく、「退場しないための堅実な投資」 にかかっています。
その積み重ねが、10年後・20年後に大きな差を生むと私は確信して今も株式投資を楽しみながら続けています。