株取引中の参考

コロナショックに関係なく株主優待廃止や減配を見抜くにはここを見よ!

2020年、中国から発生したコロナウイルスにより世界中の金融市場は大混乱!

有事の「金」や「債権」まで売られて、現金保有に走る世の中になりコロナショックとも呼ばれています。

 

やがて不景気になるのは想定されるため、企業側の対策としては配当の減配や株主優待の廃止も見受けられます。

それはこれから数カ月の間は多く出てくると予想できるでしょう。

こんな銘柄を掴んであなたの資産が大きく減らすことを防止するためにはどうするのか?

 

ズバリ、会社四季報を見て未来を予想しましょう。

そんなんわかるかい!といっているあなた、心配しなくて大丈夫。

 

投資初心者でもわかるように、どこをどう見ればいいのか?

ここでしっかり解説していきたいと思います。

 

 

減配予想

ここでは2つ、業績と配当性向(一株当たりの利益から出される配当の割合)を確認しましょう。

例として、2020年3月13日に減配(36円→27円)を発表した河西工業(7256)

【業績】

 

①業績は2019年まで「売上高」はヨコヨコ、「経常利益」がジワリジワリと減っている。

そして2020年3月の業績予想が売上高10%減、経常利益に至っては約50%と大きく減っている。

 

②配当性向は「一株益」が減少しているため上昇傾向。(2020年3月の一株益は2017年比で1/3以下。)

しかし配当は年々増配されていることは要チェック!ここに違和感を抱いて欲しい

※配当性向・・・一株配当÷一株益

2020年3月の場合 36円÷69.8円=51.6%

50%を超えているため、ちょっと無理しているように見えますね。

 

 

この状態で今後どうしていくか、あなたが社長(経営者)になったとして考えてみましょう。

・業績が悪くなっている。

・しかも経常利益が大きく減っている。

こんな状態で配当を増やしていきますか?

さらにはコロナショックでどこまで世界経済の悪影響が出るのか想像がつかない。

 

これでは減配するのは当たり前ですよね。(決算発表と同時ではなく一か月後に減配を発表していたのが救いか?)

 

改めて【業績】の2021年3月一株益を確認すると32.3円

配当性向は2019年の30.7%が最大

 

これを当てはめると

32.3円×0.307=9.9円

2021年度の配当は年間9~10円とさらに減配となるかもしれません。

 

最後に会社四季報の評価を確認すると、

【続落】内装部品は国内や北米など日産減産が痛撃。新工場関連費用も重荷。21年3月期も日産向け低迷続き国内や中国で新車の受注単価減響く。序盤の新型肺炎影響も痛手。北米採算改善で補えず。利益続落

【工場閉鎖】ホンダの英国撤退を受け、英国2工場のうち1カ所を21年12月に閉鎖することを決定。中国にサンバイザー事業部を移管、設計開発から製造まで一気通貫

 

あの日産の影響をもろに食らって業績は悪化。

改善されるのはまだまだ先であることは容易に想像できますね。

以上により、株主優待を含む総合利回りがいいからと判断して購入するのは待った方がいいかもしれませんね。

 

 

株主優待廃止予想

こちらは3つ、1つ目は【業績】、2つ目は【株主】、3つ目は会社四季報に記載されていませんが【株主優待内容】を確認しましょう。

例として、ユークス(4334)

 

①売上高・経常利益が安定していません。

しかし配当は10円を維持。

その配当性向は57.8~100%超(マイナスの時期もあるため、会社の金庫から持ち出しもあり)

こんな状態であれば、企業からの支出を抑えようとするのは当然の流れ。

これを頭に入れて次を確認してみましょう。

 

②株主

ここは株主数とその構成になります。

特に注目したいところは「株主数」と「特定株」

 

株主数が多ければ、株主優待が欲しい個人投資家が多い→株式売却→株価下落しやすい。

しかし企業などは売却せずに長期で保有するため、それらで持ち株比率を上げて特定株で固めると株価は下落しにくくなることは予想できます。

ここで先程の河西工業と比較

※左)河西工業 右)ユークス

銘柄 株主数 特定株
ユークス 6414名 70.5%
河西工業 12436名 46.1%

 

ユークスは株主数が少なく、特定株が多いため株主優待を目的にここの株式を保有している人は少ないと予想できますね。

 

③株主優待内容

もらえる内容が、魅力的であなたが欲しいと思ったか?そして友人や家族などに渡して喜ばれるか?

これはすごく重要なので頭にしっかりと叩き込んで欲しい!

 

それでは株主優待内容の確認です。

ユークスの株主優待内容は、自社製品3000円相当となっています。

2016年 トートバック

2017年 タオル

2018年 ブランケット

2019年 保冷トートバック

私はこの内容を見たところ、はっきり言って欲しいとは思いませんでした。

 

変わって河西工業の株主優待内容はクオカード1000円相当、このクオカードは配当と違って税金を取られず、1000円の金券として計算できるため個人投資家に大人気。

従って減配するより株主優待を廃止を選んだ方が、株価下落を抑えることができるのではないか?と私は勝手に想像しています。

 

参考までに日本マクドナルド(2702)は食事券(バーガー類、サイドメニュー、ドリンクを1setとして6set)につき個人投資家に大人気!

 

2014年に色々と問題を起こして株価は下落してしまったがそれも一瞬。すぐに復帰して今では当時の2倍、5000円まで上昇。恐るべし株主優待パワー!

 

 

またユークスや河西工業とは異なりますが、

・あまりにも優待内容が豪華(株価10万円でカタログギフト3000円相当など)

・総合利回りがすごくいいもの(7%超など)

 

これらはすぐに廃止や改悪などがあるため、飛びつく前に「なぜ株主優待を新設したのか?」考えてから買うようにしてください。思ったより経費が掛かり過ぎたなど、この2.3年かなりの確率で短期間に廃止などが発表されています。

※市場変更条件を満たすために株主優待を新設して、東証一部などに昇格すると廃止することあり。

 

 

 

まとめ

 

業績が下落しているものは選ばない(売上高はヨコヨコまたは上がっているが、経常利益が下がっている、いわゆる増収減益はNG)

・配当性向が高いものは選ばない(50%以下、理想は30%以下)

・株主優待内容は自分がもらった時にうれしいものか?または友人や家族に渡したとき、喜ばれるものか?想像すること。

・減配より株主優待廃止は個人投資家による「売り」の影響が少ないと想定できるものと思われる。

・株主優待内容が豪華すぎたり、総合利回りがすごくいいものは短期間で廃止される恐れあり。買う前になぜ株主優待を新設したのか検討してみる。

 

昨今ではRIZAP(2928)が3月19日に株主優待の継続実施に関するお知らせを発表。

こんな発表をしたため、色々と確認すると下記のことがわかりました。

 

・業績を確認すると2018年度が最大で下落傾向

・財務体質は非常に悪い(自己資本比率 15.2%)

・配当 13.5円→0円→1円(予定)

※一株益0.9円で1円の配当性向100%超となっているが大丈夫?

 

こんな状態で「株主優待の継続実施」とわざわざ発表するところに何か違和感を感じるのは私だけ?

できることなら買わずに「見てるだけ」とした方が無難でしょう。

 

最後まで読んでいただいたあなたには、株主優待内容や高配当といったものだけに魅せられて株価下落→資産減少とならないようになってほしい。

株式投資の基本は順張り

企業が成長→株価上昇→配当増配を継続

これがまだまだ続くようであるならば、利益が出たからといってすぐに売却せず、しっかりホールドして欲しいと思います。

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