「せっかく株主優待目当てで買ったのに、数ヶ月後に廃止…」そんな経験はありませんか?
株主優待や高配当銘柄を狙って買うとき、「買う前に見抜けるサイン」があるのをご存知ですか?
このページでは、株主優待の廃止や改悪・また配当の減配が起こりやすい企業の特徴と、チェックすべき業績や財務情報の見方について、実例を交えてわかりやすく解説しています
「危ない株」を事前に回避したい方は、ぜひ参考にしてみてください
株主優待や高配当株に潜むリスクとは?
株主優待や高配当銘柄は個人投資家に人気ですが、その裏で「廃止」や「減配」といった突然の改悪により、株価が急落することも珍しくありません
特に、財務体質が弱い企業や、優待コストが高い企業ではそのリスクが高まります
ここでは、事前にそれらの兆候を見抜くためのポイントを解説します
株主優待廃止や減配を見抜く3つのチェックポイント
株主優待内容や高配当が魅力的でも、企業の内部体力が弱ければ継続は困難。下記3指標をチェックしましょう
① 自己資本比率30%未満は要警戒
自己資本比率が30%未満、または利益剰余金が年々減っている企業は要注意
これは、会社に内部留保がなく、株主還元に無理が出ているサインです
例えば、過去に優待廃止を発表した企業X社は業績悪化以外に、
・直前の決算で自己資本比率が25%
・利益剰余金がマイナスに近づいていました
などがあげられます
② 営業キャッシュフロー(CF):黒字継続しているか
売上や利益に比べて、営業CFが黒字継続できていない企業は、現金の出所が乏しいため、優待維持・配当継続が危ういです
特に直前の業績が3期連続のマイナスは要警戒
③ 配当性向・株主優待費用:コスト見合っているか
配当性向80%以上
他社商品券やクオカードなど原価が大きくかかる優待を出している
特に「○年以上保有で豪華になる」など、長期縛り優待の改悪も注意すべきひとつですね
これらは財務圧迫の要因になります
実例でわかる!優待廃止&減配ケーススタディ
河西工業(7256)の優待廃止と株価急落の背景

①業績は2019年まで「売上高」はヨコヨコ、「経常利益」がジワリジワリと減っている
そして2020年3月の業績予想が売上高10%減、経常利益に至っては約50%と大きく減っている
②配当性向は「一株益」が減少しているため上昇傾向(2020年3月の一株益は2017年比で1/3以下)
しかし配当は年々増配されていることは要チェック!ここに違和感を抱いて欲しい
※配当性向・・・一株配当÷一株益
2020年3月の場合 36円÷69.8円=51.6%
50%を超えているため、ちょっと無理しているように見えますね
この状態で今後どうしていくか、あなたが社長(経営者)になったとして考えてみましょう。
・業績が年々悪くなっている
・しかも経常利益が大きく減っている
こんな状態で配当を増やしていきますか?
さらにはコロナショックでどこまで世界経済の悪影響が出るのか想像がつかない
これでは2020年3月に減配が発表されるのは当たり前ですよね
しかしそれでは終わらず2020年8月には株主優待も廃止されてしまいました
改めて【業績】の2021年3月一株益を確認すると32.3円
配当性向は2019年の30.7%が最大
これを当てはめると
32.3円×0.307=9.9円
2021年度の配当予想は36円となっていますが、9~10円とさらに減配となるかもしれません
最後に会社四季報の評価を確認すると、
【続落】内装部品は国内や北米など日産減産が痛撃。新工場関連費用も重荷。21年3月期も日産向け低迷続き国内や中国で新車の受注単価減響く。序盤の新型肺炎影響も痛手。北米採算改善で補えず。利益続落
【工場閉鎖】ホンダの英国撤退を受け、英国2工場のうち1カ所を21年12月に閉鎖することを決定。中国にサンバイザー事業部を移管、設計開発から製造まで一気通貫
あの日産の影響をもろに食らって業績は悪化
会社四季報の評価は厳しい
これらから改善されるのはまだまだ先であることは容易に想像できますね
そして5年が経過した2025年8月現在の株価がこちら

なんと株価100円ですか!
そして無配とは...
株主優待の廃止や改悪・減配を避けるために私が実践していること
実際に私が株主優待・高配当株を選ぶチェック基準
・自己資本比率40%以上(業種によってことなるため一概には言えないが)
・営業キャッシュフロー(CF)黒字2年以上
・配当性向は50%以下(理想は30%以下)
・利益剰余金がプラス、そして毎年増えている
・優待内容は「自社製品 orコストが軽い」もの
これらの条件を満たしていない銘柄は、たとえ欲しいと思った優待内容や利回りが高くても避けています
避けてはいないが株主優待銘柄で注意したいところ
これらに該当した多くの銘柄はすぐに廃止や株主優待内容改悪などが発表されるため、飛びつく前に「なぜ株主優待を新設したのか?」考えてから買うようにしてください
・あまりにも優待内容が豪華
(昨今ではクオカード1万円分が有名、その他、株価10万円でカタログギフト3000円相当など)
・総合利回りがすごくいいもの(7%超など)
※市場変更条件を満たすために株主優待を新設して、プライム市場などに昇格や残留できることになると改悪の恐れあり
まとめ:見せかけの利回りに騙されず安全に守る習慣

魅力的な株主優待内容や高配当だけで銘柄を選ぶと、リスクを見抜けず損をする可能性あり
株主優待や高配当は魅力的ですが、長期的な視点で「継続できるか?」を見抜くことが大切です
株価下落リスクを見抜けなければ結局損をして、あなたの大切な資産がへってしまう可能性あり
株価以外も見る習慣をつけて株主優待廃止や改悪・減配発表のサインを読み取るため下記の確認は大事です
・四半期毎に発表される決算報告書(短信だけでも)
・会社四季報
私が見ているポイント
・自己資本比率40%以上(業種によってことなるため一概には言えないが)
・営業キャッシュフロー(CF)黒字2年以上
・配当性向は50%以下(理想は30%以下)
・利益剰余金がプラス、そして毎年増えている
・優待内容は「自社製品 orコストが軽い」もの
その他、気を付けたいこと
・業績が下落しているものは選ばない(売上高はヨコヨコまたは上がっているが、経常利益が下がっている、いわゆる増収減益はNG)
・株主優待内容は自分がもらった時にうれしいものか?または友人や家族に渡したとき、喜ばれるものか想像すること
・株主優待内容が豪華すぎたり、総合利回りがすごくいいものは短期間で廃止される恐れあり
最後まで読んでいただいたあなたには、株主優待内容や高配当といったものだけに魅せられて株価下落→資産減少とならないようになってほしい
・株式投資の基本は順張り
企業が成長→株価上昇→増配の流れが継続するようであるならば、含み益が出たからといって利益をかくていさせず、しっかりホールドしてさらなる資産増大を目指してほしいと思います